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稀少種転生  作者: 冶葛
プロローグ
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プロローグ

遥か昔…

突如現れた魔物(モンスター)の大群により、人類は衰退の一途をたどっていた。

絶望の中、異なる世界より現れし者により、魔王が倒された事によって魔物が弱体し、一方人々は変わり果てた世界に順応していった。


それから幾星霜の時が流れた現在。

数百年おきに現れる魔王により疲弊していた国々は、異世界人召喚の研究を進める。


そして行われた異世界人召喚に巻き込まれた日本人が一人。

地球から姿を消した―――


 ☆ ☆ ☆


広い部屋で目を覚ます。仕事で着ている服のまま、いつの間にか眠っていたらしい。

CS(カスタマーサポート)の仕事で外の人間と会う事がない為に、入社式から数日後にはビジネスカジュアルに変えたので服のしわは気にしなくていい。が、問題は眠っている場所である。

辺りを見回すが、どれも見覚えがない。


ここは一体、どこなんだろうか。


「目を覚ましたかい?」


起き上がって周りを見ていると、いつの間にか部屋にいた人の良さそうなお爺さんがにっこりと微笑む。

その両脇には黒髪の若い男性と、青みがかった銀髪の女性が控えている。


「あ、はい。おはようございます…?」

「ふむ。不調もなさそうだの。早速だが、ワシらの話を聞いてくれるかい。君がここにいる理由も、それで解るだろう。」

「…お願いします。」


それからお爺さんこと異世界の創造神様から聞いた事によると、神様の管理する世界で行われた異世界人召喚に巻き込まれて死んだ、という嘘のような事実であった。

そして、召喚により魂や肉体の情報の半数が喪失され、今ある記憶などは辛うじて拾えたものだけなのだという。確かに、自分の名前や年齢、家族の事といった事柄が解らず、覚えているのは住んでいた所、会社勤めや大まかな業務内容、趣味?だろう内容くらいだ。


「君は二十代で、寿命もまだまだ残っていたのだが、肉体の喪失によって元の世界に戻す事もできない。」


そう黒髪の男神様(冥府神)に告げられた時に思ったのは、「召喚した人たちに毎日足の小指を強打する呪いをかけたい」だった。


「それ、いいわね!君を召喚しようとした国の重鎮と賛成していた有力貴族の神罰、それにしましょう。」


思わぬ所で叶ってしまった。というか、神罰がそれでいいのか?

賛成している女神様(縁神)に本当にいいの、と視線を向けていると、どうやら他二柱の神様も賛成らしい。


「他にも神罰は与えるが、国に対する神罰だからのう。個人に与えるものなら妥当じゃろ。」

「……因みに、君を召喚した国以外は、地球の人間以外を召喚していたのだが、君ならどういう呪いをかける?」

「外出時に鳥の糞でもかぶればいい。」

「それは(丁度)いい。よし、早速その神罰を与えておこう。」


そんなこんなで、まるでご近所の人と世間話をするかのように話が進み、召喚に巻き込んだお詫びとして神様の世界に転生する事になった。

なんとその世界はRPGのようにステータスの概念のある、魔法と剣の世界らしい。

レベルもある?カンストさせなきゃ。


「それとワシから祝福をあげよう。他にも贈呈(プレゼント)があるがのう」

「妥当な罰が見付からず困っていたのを助けてもくれたから、私の祝福もあげる。良縁に恵まれるわよ~」

「ああ、それなら俺の祝福もあげよう。状態異常無効がついている」


創造神様の祝福はどういうのか説明がなかったが、ありがたく頂きます。

転生する先はランダムなので、早々に死なない為でもある、と冥府神様。状態異常無効なら毒薬も効かないからね。王侯貴族の中でも無事でいられるだろう。


「地球とこの世界の知識を詰め込んだ特殊能力(ユニークスキル)・叡智を作った。これで少しでもこの世界の文明を改善してくれるとありがたいのじゃが…頼めるかのう?特に食文化が、地球よりかなり遅れておってのう…供え物はありがたいんだがのう……」

「その情報、紙とかで拡散(まわ)しても?」

「科学文明は君だけの知識にしておいてくれ。食文化はいくらでも周知していい。特に酒。」

「私は美味しいデザートが欲しいわ~。禁止事項なら神託で教えるし。」


なるほど、神託がない限り、割と自由にしていいのか。

それに転生先の知識も得られるならとても好待遇…。うん、楽しみになってきたかも。


その後、気分が乗ったらしい、縁神様と冥府神様によりステータスや能力(スキル)の底上げ方法やスキルレベル上げのコツを学び、神々へ別れを告げて、いよいよ転生するのだった―――。

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