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1.青い薔薇の少女
完結目指します(希望)
ブルーローズ
貴族達がそう言えば、ある少女をさす。常に髪を高い位置で二つに結い上げ、青いドレスを身にまとう美しい金髪碧眼の少女。
すなわち、アンダーソン公爵家の一人娘であるローズ・アンダーソンである。
ローズはいつも退屈だった。公爵令嬢として、夜会に出なければならないのは仕方ないし、上等な青いドレスだって満足のいく出来だ。しかし、寄って来るやつらが駄目だった。ローズの家か容姿に群がる馬鹿ばかりで、すかすかな会話しかできない。ローズが婚約者に興味ないからか、まだ恋を知らぬ少女に恋を教えてやるなどとのたまう者もあった。
全くもってふざけている。友人がいなければ、噂話から使えそうな情報を探すくらいしかする事がない。婚約者だからって胸をガン見するなアホ王子。今すぐにでも置いて帰りたい。
何が恋を知らないだ。ただ一人がここにいないだけだ。かつて一時を過ごした、今は公爵家が後見をしているくらいで、遠くから見つめる事しかできない平民の少年が。
蒼い蒼い、ローズの魔法使いが。