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新武器ゲット

「だけど……随分ポイントが余ったわね」

夕方になって辺りも少しずつ暗くなってきたので、確認のためにチナミが手元のポイントを見て思わずそう呟いた。あれから更にいくつかの催し物に参加し大量にポイントを得たのだ。時々食べ物を買ったりして使っていたが、簡単にクリアしてしまうため入るポイントの方が多かった。


明日も祭りはあるが、いつまでも祭りを楽しむ気はルーカスには無かった。あくまで今日限りのつもりだったのだ。早いところ今すぐにでもポイニクスを探し出したいのだ、ルーカスは。


とは言え、折角大量に手に入れたポイントをそのままにしておくのももったいない。なので、何かに交換して終わらせることにしたのだ。食料を交換しようと思ったが、どれも日持ちは良くなさそうなものばかりである。皆既に色々食べていてあまり食欲も無い。


何と交換しようかと4人はしばらく歩き回っていたところ、一軒の大きな店があった。棚には色々な大きさの箱が並んでいる。中身は分からない。なんでも、払うポイントの量によって渡される景品が違うらしい。


「ねえ、貯めたポイント、これに使わない?」

「……良いのか? ああいうのは、あまり期待出来るものが出てこないと思うが……」

「でも、折角だしやってみたら?」

「まぁ何にせよ記念にはなるんじゃないかい?」

ルーカスはあまり乗り気ではなかったが、他の3人は乗り気だったのでこの店でポイントを使うことにした。


店主に持っているポイント全てを渡すと店主は目を大きく見開き、いそいそと棚から小さめの箱を取り出した。


「こんなに大量のポイントを…… 本当に良いのかい? 祭りはまだまだ続くってのに」

「はい。大丈夫です」

「………そういうことなら仕方ねえ。なら受け取りな。コイツはうちの取っておきだ。これだけのポイントを出す客はもうどうせ来ないだろうしな」

そう言って箱を辰姫に渡す。


辰姫達4人は店を出ると早速箱を開けて中身を確認することにした。


「取っておきとか言ってたけどどうなんだろ?」

「さあな」


そして箱を開けると、中に入っていたのは紐状に束ねられた1つの鞭だった。


「えっと……これは……鞭…………?」

「なんか紙も入ってるわね」

「ねえルーカス、読んでみてよ」

「はぁ…… どれどれ…………」


ルーカスは鞭と同封されていた紙を読み上げた。


どうやら、この鞭は特殊なものらしく伸縮自在、使用者の意思で自由に動かすことも可能という突拍子もない武器だった。確かにこれは取っておきだな…… 4人は思わず納得してしまった。


そして、この鞭はルーカスの提案により辰姫の武器として使うことになった。辰姫にも新たな武器は必要だと思っていたし、そもそもあの店を勧めたのは辰姫なので当然の選択と言える。チナミもセールも異議は全くなかった。


鞭が新たな武器になり、まるでSMみたいだな……と少し遠い目になる辰姫であった。



それから、ルーカス達は祭りを一通り満喫してから宿で一夜を過ごすことになった。最初はすぐに宿に行ったのだが、宿代もポイントを使うことが可能だったことを知ったので急いで催し物でまた軽く稼いで宿代を調達したのだ。これだったら、あそこでポイントを全部渡すんじゃなかったな……とつい思ってしまった。まぁ、そんなに問題は無かったが。安めの宿だったので大したポイントにはならなかったし。




その夜。宿の1室にてーーーー


辰姫は今日新しく手に入れた自分の武器をマジマジと見つめていた。そんな辰姫の様子を見て同室のチナミが話しかけた。


「辰姫、どうしたの?」

「うん? ああ、チナミちゃん。えっと……これ、どう使うのかな?って思ってさ……」

「鞭ねぇ…… アタシもそんなのは使ったことは無いからよく分からないけど、試しに振ってみたら?」

「うん……」


辰姫は試しに鞭を振ってみると、鞭の先端は勢いよく床に叩き付けられてビシンッという音を立てた。その時、チナミが何かを思い出したかのように口を開いた。


「そういえば、ルーカスが言ってたけど……この武器って使い手の意思で鞭を操れるのよね? それなら、試しにこの枕を狙ってみたらどうかしら?」

そう言ってチナミは自分のベッドにあった1つの大きな枕を持ち上げて示した。それを見て辰姫は軽くイメージをする。西部劇とかでよく見る、投げ縄でものを巻き付けて奪い取るような要領だ。あれと同じ感じでやってみよう。鞭でも同じことは出来るだろう。


辰姫はそうイメージしながら大きく鞭を振りかぶった。すると、鞭は大きく軌道を変えて、チナミが持っていた枕に二重三重に巻き付いた。そして、辰姫が鞭を引っ張ると巻き付けられた枕はあっさりチナミの手から離れて2回転程しながら宙を舞い、辰姫の手に……ではなく辰姫の丁度後ろに落下した。


辰姫は驚きながらも鞭の使い道が分かったような気がした。まだもう少し練習が必要だが。でも、相手の武器を奪ったり相手を拘束することが出来るのはかなり有用と言える。そう考えると、辰姫の顔に笑みが浮かんだ。


それから、辰姫はチナミの協力のもと、鞭の練習を1時間程した後にぐっすり休んだ。

辰姫に新武器です。


追記ーーー

すみませんが、6/19の更新はお休みさせてもらいます。ホントすみません……

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