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幼馴染の物語③

お待たせしました。第3章スタートです。

「ルカーー、何読んでるの?」

ライラに声を掛けられるまでルカは夢中になって1冊の本を読みふけっていた。ドラゴンの頭と剣の絵が描かれた色あせた本だった。



ある日の昼下がり………ルカは1人、村にある小さな書庫に入っていた。この書庫は何代か前の村長の時代からあるらしく、色々な本が所狭しと雑多に置かれていて少し埃っぽい。一応、それなりに手入れはされているがわざわざここに入る物好きは少ない。


村には農作業や村の警備が忙しくて字が読めない者もいるが、ルカもライラも村長の子供として育てられたから字の読み書きはある程度教わっていたので本を読むことは出来る。字の読み書きの勉強の一環も兼ねて2人は村長の仕事が少ない時に父親から何回かこの書庫に連れられて一緒に入っていた。そして、今ではルカがよく行くようになった。ちなみにライラはすぐに飽きてしまい、あまり行っていない。


「魔剣士オーウィンだよ。これ面白いんだ」

「………最近、ルカってこればっかり読んでるよね。そんなに面白いの?」

ライラは最近あまり一緒に遊んでくれないルカに少し拗ねているようだ。


「魔剣士オーウィン」というのは20年程前に書かれた数冊構成の子供向けの物語だ。呪いによってドラゴンと変えられてしまい、失踪した姉を主人公が探しに旅に出て剣と魔法を駆使して冒険するといういかにも男の子向けな内容である。既に全巻揃っており、父親も昔ハマったことがあるらしい。子供向けだからどうだ?とその父親から勧められてライラの方はあまり興味を示さなかったが、ルカは見事にどハマりしたのだ。


ルカがページをめくって羨ましそうに溜息を吐く。


「良いなぁ。僕もこういう武器みたいなのを使って色々な場所を旅とかしてみたいなぁ………」

「旅かぁ……… でも大変そうだよ」

「何言ってんだよ。そこが良いんじゃないか。ロマンがあってさ。うーん………でもライラだったら自分がどこにいるのか分からなくなりそうだな。すぐ迷子になっちゃうし」

「えーーー、何かヒドイこと言われてる気がする………」

不満そうに頬を膨らませるライラに苦笑いしながらルカは次のページをめくった。




しばらくルカは書庫に通い詰めて「魔剣士オーウィン」を完結巻の最後のページまでしっかり読み終えた。そして、ルカは読み終えたことに満足してしまうとまたライラと一緒に遊ぶようになった。こうしてルカもあまり書庫には行かなくなってしまった。


ルカが本を読むことを喜ばしく思っていた父親はそのことに対して少し残念そうにしていたが、「まぁ仕方ないか」と苦笑いした。

子供って飽きっぽいから………………

「魔剣士オーウィン」のモデルはある程度、見当がつく人が多いと思います。今アニメもやってますし。

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