閑話 天空都市マージン
第2章の舞台、マージンの設定です。そこで出た用語等も書いておきます。
マージン
数ある天空都市の中の1つ。この世界では数百年前に人間達は度重なる大気汚染や原子炉の暴走等によって空気は淀み、大地や海は汚れ果てて全ての生物が住むことの出来ないものになってしまった。その後、人間達は複数の天空都市を創り、そこで暮らすことで生き延びることを選んだ。絶滅しないように数多くの種の生物も連れて共に天空都市で暮らすようになったのだ。しかし、天空都市の1つ、マージンでは第2章開始時の5年前にとあるものがキッカケで混沌渦巻くデストピアシティと化してしまった。そして、この都市の司政官だった狂人、キョウヤ・サエジマが支配するようになる。
・地名ーーーーーーーーーー
エアポート
ルーカスと辰姫が初めてチナミと出会った場所。その名の通り、かつては他の都市に向かうための駅の役割を持つ場所だったのだが、キョウヤによって全ての乗り物は破壊され他の都市からの助けも絶望的なためにほぼ無人の状態になっている。
ベータ区画
チナミ達のいるシェルターがある区画。レジスタンスは複数のグループに分散して同区画内で別々のシェルターにいる。かつてはマージンに何かがあった時のための万が一の避難場所とされている場所だった。
オメガ区画
マージンの住宅街の1つ。学校も数軒あった。しかし、現在ではブロット達の溜まり場になっている。
シグマ区画
工場や企業が多く並ぶ商業区画。この世界においてトップクラスの大企業BED社の研究施設ディブロップメントもある。BED社のマージン支店は既に倒壊している。上記3区画以外はキョウヤの部下の生体リンクキーによって入ることが不可能だったが、ディブロップメントにいたランドルフを倒すことで別の区画に入ることが可能になった。
アルファ区画
マージン内で非常に大きな規模を持つ植物園「バイオガーデン」がある区画。マージン内でも特に広いエリア。
バイオガーデン
マージンにある植物園。かつてはマージン内での酸素供給も担っており、熱帯雨林が多い。また、食糧供給源の1つでもあり、チナミ達が探索した場所以外では食用の作物も育てられていた。園長はガーベラ・コスグローブ。彼女が9代目の園長だった。
ロー区画
かつては「芸術の国」と称される程の煌びやかな娯楽施設。美術館やコンサートホール、数多くの著名な芸術家のアトリエがあり、芸術家にとってはまさに理想郷とも言える場所だった。芸術家の家族が暮らす住宅街も存在し、そこに住む子供は学校内でも注目の的になる程。
しかし、1人の芸術家、ガイアス・コーエンが起こした凄惨な事件によってロー区画の一部は閉鎖状態となった。
司政官室
マージンの最上階にある司政官の執務室。キョウヤの根城となっている。マージン中を監視することが可能。
・用語ーーーーーーーーーー
オベロン
元BED社の研究員ナタリー・サーヴァントによって考案、開発された薬品。特殊な状態に変異を起こしたウミウシの体液が原料となっている。これを身体に投与すると、その者の遺伝子コードが書き換えられてられて人間離れした力を得ることが可能になる。注射器で身体の一部分に影響を与える部分投与型と瓶で飲んで身体全体に影響を与える経口投与型の2種類が存在する。部分投与型は肉体面、精神面での悪影響は少ないのだが、得られる能力の性能は経口投与型と比べると若干劣る。経口投与型は強力な力が得られるが精神的なダメージが非常に大きく殆どは狂人状態と化す。5年前にオベロンの全身投与によって暴走した人が多く現れたのだが、その中でも特に酷く暴走してしまったキョウヤによって暴走した殆どの者は惨殺されてしまい、残りの理性を完全に保った者達がレジスタンスを結成するようになった。また、オベロンによって精神が破壊されて暴走した者の一部はキョウヤの配下になった。
フラッペ
オベロンの一種。主に辰姫が右腕に使用。打ち込んだ箇所の体温をマイナス100〜200度近くまで下げて辺り一面を凍らせることが可能。冷気を放ったり空気中の水分を凍らせて氷で簡単な道具を作り出すことも出来る。また、これを投与すると寒さに耐性を持つ。
ボルテージランナー
オベロンの一種。主にチナミが両脚に使用。打ち込んだ箇所から電気を発生させる。電気が発生することで筋繊維が刺激されて稲妻のように素早く動くことが出来る。放電させて電撃を浴びせることは不可能だが、電気を纏って追加効果を与えることは可能。
オーバーヒート
オベロンの一種。主にトドロキが両腕に使用。打ち込んだ箇所の体温を数百度に上昇、炎を発生させることも出来る。しかし、過度に使うと超高温になった部分の制御が効かなくなるので注意が必要。病気にかかりにくくなる副次効果もある。
サイクロン
オベロンの一種。主にデュランが使用。風を操り、カマイタチや突風を引き起こす。風の力を利用して空を飛ぶことも可能になる。それに憧れてサイクロンを使う者も多い。
アースクエイク
オベロンの一種。主にマッケイが使用。打ち込んだ箇所を岩のように硬化させたり石礫を作って弾丸のように放つことが可能。最初はそれだけだが、訓練して上達するようになると、地割れを起こしたり岩を自在に操って壁にする、身体の色を岩と同化させてやり過ごす等色々と応用が効くオベロン。
ーーー上記5種類のオベロンはナタリーが開発したものだが、グリーンベルとインクステインはBED社が新たに新開発したものである。そのため、全身投与が基本のものとなっており、より精神的な影響が強く出てしまう。
グリーンベル
植物を操るオベロン。ガーベラ・コスグローブが使用。植物を寄生して操る特殊な植物の遺伝子を基に作られた。指を鳴らしてその音が届く距離の中で植物を操ることが出来る。スピーカー越しでもその効果は発揮する。最終段階で植物と同化して戦闘力を上昇させることも出来るが、1度それを行なうと2度と元の姿に戻れなくなる上に植物と人間という本来交わることのない物同士が交わるので身体に多大な負担を掛け、寿命を大幅に減らすことになる。
インクステイン
インクを作り出して自在に操ることが出来るオベロン。キョウヤ・サエジマが使用。特殊なイカの遺伝子を基にして作られたオベロン。BED社でもトロイ・ランドルフを始めとした数人の研究員しか開発に関わっていなかったために情報は少なかった。開発責任者はランドルフだが、彼の考案ではなく、何者かのアイデアだった模様。
色々と未知数の能力であり、身体はインクのようなもので構成されてそのインクで化け物を作り出したりインクを介して瞬間移動したりすることが可能。また、絵等を基にインクを流し込んで実体化させることも出来るのだが、オリジナルとは大きく異なった姿をしている。打ち込んだ精神的なダメージが最も深刻なオベロンで1度打ち込めば間違いなく狂人となってしまうようである。
インクで生み出された化け物はブロットと呼ばれ、自我もなく唯動く物に反応して攻撃をする。このインクは血の代わりに死体を動かして死者を生前と同じように動かすことも可能である。キョウヤはその機能を早くに知り、偶然見つけた死体を操ってレジスタンスを作らせた。本来、インクステインで作られたインクは熱に弱かったはずなのだが、キョウヤ自身が自力でそれを克服させたようである。
他にも生物にインクで覆うことによって大きく造り替えて化け物に変貌させることも可能でそれを利用してランドルフを改造した。これは自分自身も例外ではなく、自身を改造して化け物に変化出来るがそれを行うと理性を完全に崩壊させて2度と元の姿に戻せなくなる。
BED社
マージン含む全ての天空都市で展開している大企業。マージン支部でオベロンの開発が行われて大惨事が起こり、マージン支部は壊滅状態となった。他にも色々と黒い噂も絶えない。マスコットキャラクターにエレク、バド、ドルーの3匹がおり、その3匹が登場するアニメーションには幅広い層から人気がある。
生体リンクキー
数年前に考案された生体認証法で鍵と認識した者が生き続ける限り、何人たりとも開けることが出来ない。その者の生命活動が鍵なので、その者が死亡すれば解除されて鍵が開く。キョウヤが自分の部屋の鍵として部下達に対してこの技術を使用した。
司政官
天空都市の設備や機能を管理している市長のような役職。日本の総理大臣のような感じだが、権限はこちらの方が多い。
この章で個人的に参考になったゲームはBI○SHOCKとBEND○ですね。どちらも世界観はおもしろいのでオススメですよ。