表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3話

〜ツメの森〜


「いたたたたた…」



「ラマ!?なんでそこに!?」



「なんでじゃないよ!早くどいてよ!」



「あ、あぁ悪い。…なぁ何があった?」



「ぼくにも分からないよ。扉を開けたら急に吸い込まれて…。」



突如黙るおれとラマ。

何があったかはわからない。

けど何かが起こってしまったのだと直感している。



「ねぇリンちゃん達は?」



「いないんだ、クロムとグレイは?」



「ぼくもわからない。」



「とりあえずメッセを送ってみるか。…あれ?」



メッセージボードが開けない。

そういえばログアウトも出来そうにない。



「くそっ!なんだよこれ!?どーやって出るんだよ!」



「落ち着いて!ちょっと待てばメンテナンス入るって!」



「くっ…!!ふざけんなよ…。」



…。再びの沈黙。

どーなってんだ。不安でたまらない。

リンは無事なのか。おれと同じように森に放り出されたのか。それともあいつはログアウト出来ているのか。



…おれはどうなるんだ?



とりあえず森から出ることにした。

辺りを探してもリンたちは見つからないし無事であることを祈ろう。



【ガサガサ】



茂みからモンスターが現れた!

…なんだ、角豚ニードルポークか。

まぁなんていうか、角の生えたただの豚である。

猪の様にも感じるが所詮豚、突進は無い。

と言っても耐久力はあるし角に当たると危ない。



「先手必勝だ。」



即座に後ろに回り込むおれ。

…ん?なんか体が軽いな。

さらに打ち込む蹴り…、ってえぇ!?



信じられないくらい吹っ飛ぶ角豚。



「なんだこの力…?」



ステータスボードを開く。



「え、ステータスがめっちゃ上がってる。」



転職してからまだ戦闘は行ってない。

なのでレベルも当然上がっていないので農民の時と変わってないはずだ。

すると見覚えのないスキルを見つける。




「なんだこれ?『適合』?」



さっきまでこんなのは無かったはずだ。

そもそも何に適合してるんだ?



「お〜〜〜〜い!」



ん?ラマの声。

そういえばどこに?



「おーーーい!ここだよー!」



「ラマ、なんでそんな所に。」



さっきの角豚の下敷きになっている。



「なんでじゃないよ!急に上から角豚が吹っ飛んで来たんだよ!」



「あ…、すまん。」



起き上がるラマ。



「なにこの角豚、リュウが倒したの?」



「あぁ、おれにも何だかよく分からないんだが。」



「ま、せっかくだし食事にしよっか!お腹すいたよー。」



「そういえば今朝出発してから何も食べてないな。」



一時休憩。

ちょうどいい空き地。

焚き火で焼く、角豚の丸焼き。



「ふーん『適合』ねぇ。ぼくもよく知らないけど…、他に何か手に入れたりしてないの?」



「あぁ、そうかこれだけとは限らないのか。」



ステータスボードを開く。



「ん!?『収納魔法』なんてレアなスキル手に入れてる!」



「え!やったじゃん!」



これは便利だ!

高難易度依頼をクリアした時に貰える魔導書でしか手に入れられないレアスキル。

…なんのバグだか知らないが有難く頂こう!



「あとは『準テイム』…?ってテイム!?」



まじか!これってもしかしておれにもテイムできるってこと!?

そしたら憧れの『色兎カラーラビット』や『種の妖精プランツ』や『巨鳥ザ・バード』とのワンダフルライフが…!!



「なぁラマン!これっ…、て…。」



あれ、角豚が跡形も…ない。



「…ん?なに?」



「いや、お前全部食べたのか?」



「そうだよぉ。うっぷぅ…。」



「食べ過ぎだぞ…。それ以上太ったらどーするんだ…。」



「…。」



「…あ。」



しまった。

気づいた時にはもう遅い、それを失言と言う。



「ラマ!どこ行くんだよ!」



どんどん遠ざかってくラマン。



…あ!



「おい!ラマ!上!」



「キキー!」



ガリガリの猿が木の上から襲いかかってくる。

木猿ツリーエイプ』だ。

ラマが蹴り飛ばされる。



「痛ぁ!」



「ラマ!大丈夫か!?」



ラマが動かない。



「…ラマ?…お?」



いや、ゆっくり起き上がる。

小刻みに震えている。

揺れるお腹。

どうやら怒っているみたいだ。



「…。…この猿め。僕は今機嫌が悪いんだ!このぉ!!!」



ラマが深く息を吸い込む。

そういえばラマが攻撃するとこ初めて見るな。

…?…背筋に寒気が。

…ってあれ?なんかこれヤバいんじゃ…。




「くらえー!『竜の業火』!!!」



【バゴォォォォン!!!!!!】



「キキーーーー!?!?!?」



「うぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?」



凄まじい炎と燃え盛る森。

一帯が焼け野原となり地形が変わる。

当然木猿は跡形もないだろう…。



ここでおれはあることに気づく。



「なぁ…ラマ…お前まさか…?」



そういえば分かっていなかったことがあった。

ラマの種族だ。





「お前…」





初攻撃云々の話じゃない。この凄まじい炎を見たらバカでも気づく。






「お前、まさか…、『火竜サラマンダー』…なのか?」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:八岐(ヤマタ) 竜也(タツヤ)

年齢:18

ユーザー名:リュウ

職業:農民LvMAX/召喚士Lv2

ステータス:

力_14(+200) 耐久_12(+200) 敏捷_18(+300) 魔力_120(+1000)

スキル:召喚 適合 収納魔法 準テイム

称号:超えし者




召喚獣:火竜サラマンダー(名:ラマン/属性:火)

ステータス:測定不能

スキル:竜の業火 鋼鉄の尻尾 ??? ???


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ