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〜竜の章〜1話

〜???の間〜


…ついに!ついにレベルをMAXにしたぞ!

長かった…。まさか始まりの職業が農民だとは…。

最初の頃は辛いなんてもんじゃなかった。

Fランクのモンスター相手にもダメージ通らなかった時は絶対バグかと思って運営に問い合わせまでしたさ。

モンスター倒せないのにどうやってランク上げるんだ!

周りに農民になったやつがいない、ネットで調べても

「農民なんてあるの?」「職業として成立してるの?」「伝説の職業(笑)」って言われる始末。

…しかしこれでようやく転職の時が来た。



【パラララーン!】



軽快な音と共に聞こえてくる声。



【ランクMAX達成おめでとうございます。現在の職業のまま転生なさいますか?】



「誰が転生するか!転職!転職をさせてくれ!」



【かしこまりました。では、3つの宝箱から選んでください。】



目の前に宝箱が現れる。それぞれにウインドウが表示される。



「『力』『精神』、そして『特殊』…か。」



おれにはどうしても憧れてる職業がある。

『テイマー』だ。

…あまり大声では言えないが、可愛いモンスターと戯れることにとっても憧れている…!!

そしてテイマーが入っている宝箱が…。



「『特殊』で頼む。」



【かしこまりました。では、新たな冒険をお楽しみください。】



さて、農民ともおさらばか。

大変だったがやりがいは結構あったから楽しめたな。

農作で経験値を得ると知った時は引いたけど…。

引き継げるのはスキルだっけか?

せっかくだからなんか活かせる職業になれるといいな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜不思議な空間〜



【さぁ、新たな冒険をお楽しみください。】



微笑む女神。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



〜道中〜




「だーかーら!言ったじゃんか!さっきの村で泊まるべきだったんだって!」



「…。」



「だいたいリュウはいっつも、気持ち悪いんだよな〜、って。」



「…。」



「ぼくの身にもなってよね、ぼくだって休みたい時は休みたいし食べたり寝たりしたいんだから。」



「…。」



「ねぇ!?きいて…」



「うるせー!!!ずーーーっっっと!うるせー!!!」



「な!?なんだよ!」



「なんなんだよさっきから!お前はおれの…、おれの召喚獣だろ!?仮にもおれは主よ!?なんでそんな小言ばっか言われなきゃいけねーんだよ!」



「はぁぁ!?主ってなんだよ!ぼくとシンの間に主従関係なんてないだろ!出るとこ出るぞ!召喚獣だって人権あるんだからな!すぐ運営に通報してやる!」



「は、はぁ!?うっ…。くっ…くそ…。…あ、あれ!次の村だ。ほら、あそこでは休めるといいな。」



「休めるといいな、ってねぇ…。」




この、首なしトカゲめ…。

なんて細かいやつだ…。

やっとの思いでした転職。それがまた聞いた事ない『召喚士』という職業だった。

『テイマー』では無かったがモンスターと戯れられるってのは一緒のはず。

おれは嬉しくてすぐ召喚の儀式を行った。

それが…、なんだこの丸い…トカゲ?は。

手足は短い寸胴の二足歩行のよくデパートで見る着ぐるみみたいなフォルム。

分かっていることは属性は『火』だということ。

種族は…。

…あれ?そういえばこいつなんなんだろう。

ステータス画面はなぜか『???』と表示されている。

おれが未熟だからか?

そのうちわかるのか?

とりあえずレベル上げしてもわからなかったらまとめサイトで調べてみよう。



----------------------------------------


〜門前〜



気を取り直して村へ。

あまり大きくないな。簡単な柵で囲まれた中に家が並ぶ。



「もう遅いし宿に行って明日依頼クエストでも受けてみるか。」




冒険者として登録していればギルドで依頼が受けれる。ま、この手のゲームのありがちなパターンだな。

ゲームってのはストーリーに違いはあれどもシステムは大体一緒だ。





「あ、リンちゃんからメッセが来てるよ。」



リン。小学校の時引越した家のお隣さん。なにかとおれのこと気にかけてくれる頼れる姉さんって感じだ。




「なんだって?」



「【久しぶり!今ツメ村にいるの?わたしも近くにいるから明日一緒に依頼でも受けない?】だって。いいんじゃない?ぼくもリンちゃんと会ってみたいなー。」




確かに、リンがいるとだいぶ楽だな。

2人より3人、だな。

…おれも会いたいし。




「じゃあ明日の昼前にギルドに待ち合わせって送っといて。」



「おっけー!」




よし、飯食ったら明日に備えて早く宿に戻ろう。

夏休みだし今日はログインしたまま寝るか。




「明日楽しみだねー。」



「そうだな。」



「なに澄ましてんのさ。顔、ニヤけてるよ。」



「うるせーよ…」




結論から言うと、

このあと楽しみで眠れなくなる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前:八岐(ヤマタ) 竜也(タツヤ)

年齢:18

ユーザー名:リュウ

職業:農民LvMAX/召喚士Lv1

召喚獣:???(名:ラマン/属性:火)



名前:初音(ハツネ) 鈴香(スズカ)

年齢:19

ユーザー名:リン

職業:治癒士LvMAX/???


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