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俺とピロ  作者: ベン マウント
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訪問

田倉の屋敷、正面から乗り込む事にした、高い塀を巡らせた趣のある、瓦屋根の日本家屋、警護の様な人は見えない、インターホンに向かって話す

「御免下さい」

奥さんだろうか、六十代に見える品の良い女性が出て来た

「本条と申しますが、田倉順三さんいらっしゃいますか」

「どなた様でしょうか」

「本条隼人と申します」

「本条隼人様、お約束は頂いております?」

「いえ、ですが名前を言えば」

「そうですか、では、少々お待ちください」

そう言って奥に戻って行った、暫くすると

「お上がり下さい、お会いするそうですので」

「ありがとうございます、失礼します」

案内されて奥の座敷に通された、座って待っていると、良くテレビや新聞で見る田倉が現れた、流石に政界の黒幕と言われるだけあって、風格があって威圧感さえ感じる

「今日は何の用だ、本条君と言ったな」

「もう分かっているでしょう、俺の事は十分調べたでしょう」

「分かっているようだな、まあな、それで、今日は何の用だ」

「ええ、何もするなと言ったのに、俺や俺の周りを調べまくっているようなのでね、何かしたら公表すると言っておきましたけど、改めて公表する事を伝えに来ました、貴方が力を持っているとろくなことはしない、貴方を潰します、その方が世の中の為になる」

「ほう、でかい口を叩いて、生きてここを出られると思って居るのか」

「何かするつもりですか、止めた方が良いですよ、その方達が気の毒だ、やはりお前は政治家は止めろ、最低の極道より始末が悪い、おれは勿論生きて帰りますよおれは、何をされようが自信があります」

「若造がほざいてろ、二度とそんな口がきけぬようにして遣る」

相当腹が立っているようだ、声が震えている

「出てこい、こいつに痛い目を見せてやれ、このわしに逆らったらどうなるか、思い知らせてやれ」

「ピロ、映像記録できてる?」

「うんしっかり出来てる」

「じゃあ、ピロの貰った道の力はだめだな、有り得る方法で倒さなくちゃ」

「うん、その方が良いね」

襖が開くとそこから、ぞろぞろと八人の男達が出て来た、無言で一人が、いきなり掴み掛かって来た、躱しながら手刀で腕を叩き折る

「ギャー、いてえ、ちくしょう、やりゃあがったな」

騒いでいる

「こいつ、やるぞ、気を付けろ、武器を使え」

,短刀が三人、携帯警棒が四人、一振りして、警棒を伸ばす仕草は慣れている、なかなか様になっている、周りを囲まれた、指先からビームを試したかったが、証拠の録画中なので止めた、警棒で打ち込んできたが躱しながら警棒を絡め取り、鮮やかに回転させて見せる、俺こんな事で来たっけ、自然に出来たんだけど、連中が見とれるほど見ごとな手つきだった、武器を奪った男の両手上腕に、警棒で叩きつけ骨折させた、次の男は警棒鵜を横殴りに振って来た、身を伏せて解けると同時に足の腱を叩く簡単に切れた、残り四人短刀を持った三人は、短刀を掴み取り上げてそれぞれの腿の同じ場所にドスを刺してやった

ぎゃあー」

無言だった男たちが悲鳴を上げている,短刀の刃の部分を掴み平黄な顔をしている俺に、残った一人警棒持ちは俺が睨むと後ずさりしている

「皆公平に痛い思いをしないとね」

警棒で鎖骨を折って遣った

「ひー」

恐ろしさで声が出ないらしい、そんな男たちは放って置いて、ろ過に出る書斎らしき部屋の戸を開ける、田倉は向こうを向いてテレビのニュースを見ていた

「片付いたか」

「「ああ、かたづいたよ」

俺の声に一瞬固まっている、怖いものでも見るようにそっと振り返る、俺の顔を見て普段は垂れている眼が、目いっぱい開かれている

「き、貴様」

「はいよ、俺で悪かったな、良かったな、これでお前も明日からニュースの主役だ、じゃあな」

「待て、待ってくれ」

「嫌だよ、又襲われると怖いからな」

構わずに玄関に向かう

「待ってくれ」

追いかけてくる

「お前も痛い思いをしたいのか、うるさいよ」

「頼む、待ってくれ、もう何もしない、だから」

「馬鹿野郎、二度は無いと言ったろう、もう遅いよ、警察が来ただろう、じゃあな」

インターホンが鳴っている多分警察だろう

「ピロ、瞬間移動してアリバイ造る、お願い」

田倉の屋敷から二十キロ以上はなれた、この間行こうとしたスナックの前にいる、辺りに人影はない、ドアを押し開けて入って行く

「あらぁ、本条ちゃんじゃない、いらっしゃい、ひさしぶり、元気だった」

ほかに客はいなかった、適当に返事をして、勝手に席に着くと、すぐに竹林に電話をする、、アリバイ証人だ、すぐ来られるようだ、ついで鏑木にも電話した、アリバイ証明は多いほど良い

「良かったら来ませんか、スナックで飲むなんて、貴方には合わないかもしれませんが、」

「そんな事はありません行きますとも、すぐ行きますから」

2人とも三十分もしないうちに現れた

「俺の親友の竹林、こちらは飲み屋で一緒になって以来、何だか馬が合ってね鏑木さんて言うんだ」

紹介が終わり、竹林は素性を話す、鏑木は公務員とだけ言って、終わらせた、ママも交えて歓談する、話の内容は何でもいいのだ、要は今の時間一緒に居ること自体が重要なのだ

「昔からこいつは何時も飄々としていましてね、どうしたらああいう生き方が出来るのか、羨ましかった、持って生まれた性格ですかね、私なんか、いつもくよくよして生きているのに」

「そうなんですか、いや、本条さんの親友と言うだけで羨ましいですよ、私なんか親友と呼べる人間何ていませんから」

「まあそれは言えるかな、一緒にいるのが楽しい友が居るだけで満足しなければ」

「そうですよ」

そう言ってから内ポケットからスマホを出すと

「ちょっと失礼します」

鏑木はそう言うと立ち上がり店の外に出て行った、暫くすると戻って来て、俺に耳打ちする

「田倉の家に何かあったらしいです」

「何時です」

「今日、一時間ほど前」

「何でしょうね、強盗でも入ったのかな」

「それはありません、田倉の処には用心棒の様な連中が、いつも五人以上は詰めているらしい、だから強盗など無理でしょう」

「そうなんだ、じゃあ、何だろう」

「田倉は呼びたくなかったようだが、女中さんが電話してしまったらしい、駆け付けた警察官は帰されたそうです」

「じゃあ、事件にはならない」

「そうですね、但し政府の要人と言う事で、屋敷の近辺は厳重警戒態勢を敷きました」

「この夜中にご苦労様です」

さて、事件にならないとなると、どうしよう、田倉を潰すのはわけないが、相当な力があると言う事は、その力を良い方に利用できないか、わけない其の為には俺一人では駄目だな鏑木さんに相談するか、一切其の為にはを話して知恵を借りた方が良さそうだ、竹林のいるが裏切る心配はないし

「鏑木さん、実は相談に乗って貰いたいことがあるのですが」

「何でしょう、いつぞや言ったように、私にできる事なら何でもしますよ」

「田倉って味方にすれば、利用価値はありますか」

「あの人を利用出来たら、私なんかすごく楽になりますよ、何しろ上の方に彼の息のかかった人が多くて、色々と遣りにくくてしょうがない」

「以前鏑木さんが、田倉の頭を押さえたようだが危険すぎると言いましたよね」

「ええ、非常に危険な事です」

「田倉が絶対に逆らえない、そんな証拠をもっていたとしたら」

「其れこそ、命の危険があります」

「約束させても駄目でしょうか」

「その証拠次第で、後は方法でしょう」

「実は田倉の命取りの証拠を二つ握っているんです、教えますから奴を利用してみませんか」

「私が田倉を利用するなんて、ネズミがライオンを飼うようなものですよ、難しいなぁ」

「よし、この際だ、場所を変えて検証してください、奴はぐうの音も出ないでしょうから、言う事を聞くはずです、其れと竹林」

「何だ」

「後でややこしくなると面倒何で、鏑木さんの正体を教えておく」

「正体って、そんな人なの鏑木さんて、怖いな」

鏑木さんがすかさず名刺を出し竹林に渡す

「ゲッ、隼人、お前何で」

「ちょっとした縁でな、一番末端の刑事が、トップの総監とじゃ釣り合わないが、これが縁というものらしい」

「分かった、そう言う事なら、これから俺は邪魔だろう、帰るは」

「いや、お前なら良いよ、一緒に聞いてくれ」

ピロがUSBにしてくれてある、それを持って

「竹林、例の料亭、パソコン貸してくれるかな」

「パソコン位大丈夫だろう、事務所にある奴を借りれば」

「じゃあ、空いた部屋はあるか聞いてくれ」

部屋はあると言うので急遽料亭に行き、パソコンを借りると、今日の一部始終を映した映像を見せる、ついでに音声の証拠も聞かせておいた

「どうです」

「これは、命がけで奪いに来るでしょうね」

「その前に公表される事は考えないのですか」

「一か八かですよ、奪えるかばらされるかのね」

「そうか、公表されて元々、今頃躍起になって俺を探していると言う事ですか」

「そう言う事ですね」




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