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俺とピロ  作者: ベン マウント
3/32

友とスナック

警視総監が入院とか病気とか、噂にもニュースにもならなかった

「大成功」

誰も居ないところでガッツポーズ

「ピロありがとう」

「何でもないよ出来る事は何でもやってあげるから言ってね」

「ありがとう」

なんだか嬉しくて泣けてきちゃう、今更ながら物凄い力を手に入れてしまった実感がする、喜びよりも何か怖くなった、この力は余程心して使わなければ恐ろしい事になる

「ピロが最大の力を使ったら、どうなるの」

「この星を消滅させる事なんて簡単にできるよ」

「はっ・・・・」

ことばがでなかった、其処迄の力とは、ピロに脳のレベルを上げて貰い、ある程度の科学の予備知識はあったが、それでも怖い、恐ろしい、爆弾を抱えるなんてレベルじゃない、表現できない恐ろしい物、頭がパニックになりそう

「大丈夫だよ、隼人の生命が最優先だから、ピロが隼人と生きている限りそんな事は出来ないから」

「あ、そうか、ならば安心だ、ああっ、びっくりしたぁ」

ほっと胸をなでおろす

今日は事件もなく、普通の公務員並みに定時に署を出て来た、時間が早いしどこかで時間を潰してから、たまに行くスナックにでも行って見よう、そう予定して居る、事件に追われる毎日、こんな日は本当に貴重だそれに明日は休暇、予定はないが何かワクワクする、ピロと出会ってから何とはなしに、何の張り合いもなく、ほぼ惰性で生きているようなものだったが、生きているのが楽しくなった、仕事以外は殆ど願いが叶ってしまった、今迄思って居ても出来なかった事が叶う、まず、金が欲しいと思った、親の代から貧乏には慣れているが、金で惨めな思いは散々した、お金は有るに越したことはないのだ、金持ちは性格が悪くても、社会的に認められるが、貧乏人は幾らいい人でも社会的に認められない、それが資本主義の世界だ、頼んでみよう

「ピロ、お金を増やす方法ってあるかなぁ」

「うん、簡単だよ、すぐに欲しい、それとも少し時間がかかってもいい」

「すぐの方は、どうするの」

「岩に圧力を加えて、好みの宝石を作る、成分を分析しても分からない、本物が出来るよ、それを売れば何億でも」

ちょっと待て、ピロなら出来るだろうが、入手経路や色々調べられたら、ヤバい事になりかねない

「それは駄目、時間がかかる方は」

「元手が居るよ」

「どの位?」

「まあ、三万円くらいあれば」

「そのくらいなら、俺だってあるよ」

やれと言われたのは、それはFXだった、早速インターネットで口座を作り、三日ほどで使えるようになった、其れからは暇さえあればFXをやらされた、始めたばかりで訳が分からないので専門用語ではなく、ピロと俺にだけ分かる日本語を決めて指示して貰う

「はい上をXX円買って、はい売って,はい下をXX円買って、はい売って」

ピロの支持通り入力していく、上を幾ら買う、売る、下を幾ら買う、売る、その繰り返しだが其の度に増えて行った、間違いなく増えるのだ、三か月もすると二桁が三桁に近い億に達してしまった、最近では支持するのでは歯がゆいらしく、ピロが勝手にやっているのだが、俺がやっている時の何倍も儲けている

「ピロ、もういいよ、十分だ」

「じゃあ、一回が高額になって来たから、時間も回数も減らそうか」

止めるとは言わなかった、ピロはFXをゲームのように結構気に入っているようだ、地球上のデーターを処理して、目に見えて結果が出る事に満足感があるのだろう、マシンのくせに感情があるように思ってしまう、だが俺は何しろ最初は一回買うのに何十円だったのに、それが今では一回で買う金額が百万を超えている、ドルの一銭二銭の上下が何百万円もの儲けになるのだ、、普通の感覚では怖くなる、怖くなってきた

「ああ、余程暇な時以外止めよう」

こうなると警察官として心配なのは犯罪者になる事だ、可能性として、知らない間に脱税していたなんてことにならないように、税金対策は税理士を頼み完璧に行った、そして納税した、給料で引かれる税率なんてものじゃない、驚くような率であり額だったが、元々思ってもみなかった額が残っているので、惜しくもなんともなかった、ただ名前が表に出ないように細心の注意を払った、金持ちになったのだから、せめて快適に暮らしたいと思うのだが、安給料の刑事風情が高級マンション購入では不審がられるので、大き目の少し豪華な家を買った、其処に間借りしている事にすれば、何とか言い訳がしやすいだろう

ここ最近の事を思い浮かべながら、ぶらぶらと街を歩いていた、金に余裕ができると心にまで余裕ができるらしい、以前よりイライラする事が少なくなった、と言うよりイライラしなくなった、同僚たちのあたりが良くなったは、そのせいもあるかもしれない

「本条、本条~」

車道から声がする、見ると高級車から顔を出してこちらを見ている男が居た、高校時代の同級生竹林勇だ、結構な財閥の御曹司だが何故か気が合って、卒業以来今でも付き合いのある数少ない友人だ、車の方に近づいていくと

「お前がこんな時間暇そうに歩いているなんて、珍しいな」

「そうなんだ、珍しく定時に帰る事が出来てな」

「そうか、久し振りに一杯やるか」

「良いな、でもお前仕事は」

「大丈夫だ、俺も珍しく体が空いたので社に戻る処だった」

そう言って運転手に

「俺は此処で降りて家に帰るから、今日は君も返って良いから」

そう言って車から降りてくる

「俺の行きつけで良いか」

「お前の行きつけって、そう言う高級な所は嫌だって言ってるだろう、いつも」

「分かってるよ、だからお前と行けるところを探しておいたよ」

「本当か、お前は其れでも良いのか」

「いいさ、場所より一緒に行く相手だよ」

竹林は貧乏な俺の事を差別せず、金持ち風は絶対に吹かせない、とても性格が良いのだ、いつも俺に合わせて付きあってくれる、俺のレベルの少し上の処で付き合ってくれるので、知らぬ間に俺は普通よりちょっと上を知っていた、なんてことを分からせられる事があった、以前上司から署長のお供を頼まれた

「すまん、運転手が風邪で休んでいるそうだ、他の庶務の連中、会議だ研修が重なって人が居ないそうなんだ、頼む」

「別にいいですけど」

事件はなく、何の予定もないし、断る理由はなかったから、運転手として随行して行った、場所は見覚えのある料亭だった、一緒にお供した副署長が

「君達では、一生縁の無い所だ、良く味わっておきたまえ」

そう言われたが、入ってみるとやはり見覚えがあった、竹林が

「相談したい事があるから、今日は静かな処で飲もう」

そう言って連れてこられた処だ

副署長に

「はい、勉強させてもらいます」

そう返しておいた、ところが玄関を入り女将たちが出迎えていりたが

「ご案内して」

そう仲居に指示を出した後、女将が俺の所に寄って来て

「いつぞや、竹林様といらして頂いた、警察の方だったんですか、竹林様の親友と仰っていましたが」

「ええ、まあ」

曖昧に返して署長たちの後を追った

「お前さん、来た事があるのか」

「ええっ」

とだけ答えておいた、そんな高級料亭とは思わなかった、副所長は複雑な顔をしていたのを思い出す、そんな事があったが、別に竹林が悪い事をしたわけでは無いが、俺がこういう場所に来る事が良い事なのか分からないだけだ、只こう言う高級な所は好きではない、自分の今までの生活レベルの場所で、遊ぶのが良いと思って居る、だから大体は竹林が俺に合わせてくれているのだ

案内されたのはスナックだったが、ちょっと高級感がある落ち着いた雰囲気の店だった

「どうだ、良い店だろう」

「まあな」

「いらっしゃいませ」

出てきた女性を見て、どこか見覚えがある、同級生ではないか

「奈々子、だよな」

「はい、奈々子です、隼人君」

「竹林、お前」

「いや、驚かそうと思ってな、此処は俺も最近知ったんだ、それでな、この間来たとき奈々子に相談されたが、電話しようと思って居たんだが、お前なら何とかしてくれるかと、ところが丁度今日あったので、連れて来たと言う訳さ」

「何か揉め事か、どうしたんだ」

「実はな、このビルは奈々子の家の物なんだが、売れとしつこく言って来る奴が居るようなんだ、それが元やくざ、足を洗ったとは言っても中身は変わっていない、質の悪い相手なんだ」

「そんな事だったら、早く言えば良いのに」

「そしてな、奴のバックには、噂の範囲だが与党の大物が居るようなんだ」

「なんだ、そんな事か、全然関係ないよ、今からでも話しを付けに行って来ようか」

「待て、隼人早まるな、事情を聴いてからでも良いだろう、それに場所も名前も分からないだろうが、お前何時からそんなに血の気が多くなったんだ」

「場所も名前も、事情も聴いてないか、其れもそうだな、聞こう」

「ええ、ほんと、隼人君てこんなに気が短かったかしら、驚いちゃった、でも相手は名前は変えているけどやくざよ、大丈夫なの、私の事で隼人君に何かあったら、如何して良いか困るわよ」

「その心配は無用だ、奴らも馬鹿じゃない現役の刑事をどうこうできるわけがない」

「そうなの、何故このビルを欲しがるのか、てこれもきいて呆れたわ、与党の大物議員の娘が欲しがっているからだって、どうなっているのこの国は、本当にばかばかしい」

「何故ここなの」

「以前、客としてきたのよ、取り巻きの男たちを引き連れて、女王様気取りでおおさわぎ、店にいた関係ないお客様にまで、おい、お前此処に来て酌をしろ、なんて言い出したから、私がたしなめたら、私を誰だと思って居ると始まった訳、どなた様でも良いから、お引き取り下さい、と言ってお帰り願ったわけ、後はわかるでしょう」

「なるほど、それで、奴らの手口は」

昔と変わらないわね、いかにもやくざと言った男たちが、客としてきて、閉店まで居座るのよ」

「やくざお断りは書いてあるよね」

「あるわよ、でも。帰れと言っても帰らないの、やくざじゃないからって」

「やくざ風の方お断りとなっているよね」

「そうよ、でもだめなの」

「影響は」

「お客様は激減よ、関わり合いになりたくないから」

「今日はいないね」

「まだ時間が早いから、今に来るわよ、必ず」

「じゃあ、来たら追い出すか、ついでに事務所に行って来るよ」

「本当に大丈夫なの」

「絶対に大丈夫、心配しないで」

少し楽しみになって来た、どうやって懲らしめてやろう

「とりあえずビールってところか」

竹林が言ってから

「隼人、すまん、面倒ごとで」

「何言ってるんだ、俺は其れの専門家だ、任せろ」

そう言ってビールグラスを合わせる、竹林は安心したのか奈々子と話し始めた、ちょっと気になる事が有ったのでピロに聞いてみる

「ピロ、拳銃の弾が当たると死ぬか」

「ううん、死なないよ、ライフルの弾が当たったら、デコピンされたくらい痛いけど」

「そうなのか、凄いな、俺は不死身じゃないか」

「そうだよ、死なない事の言い訳の方が大変だと思うよ」

「そうだな」

「だから、弾が当たった痕のある何かを持っていると良いよ」

「いいなその手、ピロ作れるか」

「いいよ、はい」

即出て来た

「もう出来た」

金属製の名刺入れだ、一部が凹んでいる

「そうか、これに当たった事にすれば良いのか、俺は良いけど、続けて見方が狙われたら」

「腕を見て」

一見して高級通時計がはまっていた

「あれぇ、何時の間に、でもこれ高級時計の偽物だろう、警察官の俺が持っていると不味いよ」

「じゃあ、国産の安物にするね」

「ああ、そうしてくれる」

すぐに文字盤が変わり国産のメーカーに変わった

「それはエネルギー収束装置を内蔵しているの、今は満タン使っても太陽エネルギーを集めて、すぐ満タンになるよウニ出来てる、ソーラー電池みたいなものだけど、性能は百万倍以上、腕に同化していて脳と指先に繋がっているの、指さしたところに光線が飛んでいく、強弱は頭で考えた通りになり、強くすれば戦闘機も落とせるよ」

「ちょ、ちょと、そんな物騒なもの」

「拳銃と同じだよ、使わなければ只の時計だから」

「まあそうだけど」

ピロとの会話に夢中になっていると

「何呟いているんだ、やはり少しは怖いと思って居るんだろう」

「いや、全然大丈夫だ」

ピロと話したら更に安心感が増した、怖さなんて全く感じない、ピロの言う通りだとしたら、むしろ死ぬ事の方が難しいだろう、そんな話をしていた時、其れらしい男たちが4人入って来た、本当に、如何にもと分かる、ワザワザ其れらしい服装で来たのだろう、奈々子が眼で合図して来た


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