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俺とピロ  作者: ベン マウント
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出逢い

地位にも名誉にも力にも金にも惑わず進める、男の物語

く気分がすぐれない日が幾日か続いていた、そんな時は休暇を利用して山に登る事が多い、世の中上手くいかないことばかりなのは分かっていても、話をする同僚はいるが、、友達はいつも会えるわけでは無く、彼女は居ない、一心に頂上を目指し、そして踏破すると、、不思議に心が晴れた気がするのだ、多分気がするだけで根本は何も解決していないのだが、とにかく今までそうしてきた、青い空を見上げ周りの山々を見ながら深呼吸をする、気分は爽快に近い状態まで回復した気分になる

「さて、降りるか、明るいうちに麓につかなくては」

ひとり呟いて下山を始める、見える範囲に人は見当たらない、風の音と自分の足音だけが聞こえる、土日祝日にはかなり登山者が居るようだが、平日はこんなものなのだ、雲行きが怪しくなった、のんびりしてはいられない、山の天気は気まぐれだ、快晴だった空に雲が沸いて来たと思ったら、瞬く間に空いっぱいに広がり風も強くなって来た、歩ユリポツリと降り始めた、急ぎ足で山を下りていく、尾根を少し降りたところに、大きな岩が壁のように聳え立っていた、下の方が軒先のように突き出していて雨を凌げそうだ、急いでその下に飛び込む、幸い足元は平らで人が二人くらいなら入っていられそうな広さだ、麓に置いた車まで後三十分というところか、ついていないな、心の中で思いながら岩穴の中を見回す、右肩の上の方に拳大の穴が開いている、何かの巣なのかな気になって中を覗いてみる、奥は深くはなさそうだが暗くてよく見えない、どうでも良い事だが何故か気になった なにかと便利だろうとペンライトを持っていたのを思い出して、ポケットを探ってみる、上着の胸のポケットに入っていた、点灯して穴の中を照らしてみる、、すると奥の方に野球のボールのようなものが見える

「何だろう」

穴に手を入れてみる、かろうじて手が届きそうだ、指先で転がして近づけ握る事が出来た、穴の外に持ち出す、明るい場所に移動し観察すると、材質は石のように見えるが自然のものではないような気がする、自然にしてはきれいな球状だ、両手で持ち上げて更に詳しく調べようとした時、ピロロロローと音がしたと同時に突然光り出した、そしてどこの国のことばかことばかわからないが、合成音の様な声が聞こえる

「何だ、これは」

驚いて思わず放り投げてしまった

「人体を感知しました、人体の温度と遺伝子の感知により起動しました、音声を聴いて翻訳機能作動しました、危険ではありませんから安心してください」

「しゃべった」

思わず口にすると

「ハイ、あなたの発音から分析して翻訳完了、お話しできますよ」

「お話しできますって、何なんだこれは」

「突然の事で驚いたでしょうが、私はあなたの知らない星からきました、時空の歪みに巻き込まれたようです、此処は異次元の世界のようですね、あなたのお名前は」

「俺の名前は本条隼人」

思わず答えてしまった、得体のしれない物に

「お前の名前は」

本条隼人とピロの出会いはこうして始まった、名前がないから付けろというので、出会って最初に聞いた音が、ピロロロローと聞こえたのでピロとなず名付けた、安易な名前だが、気に入ったらしいのでそう呼ぶ事にした

ピロの生まれたというか造られたのは、遥か遠い星何億光年も離れているらしい、その星の科学の粋を集めて完成したマシンなのだそうだ、小さなボールのような物だけ見えるが、超化学で異次元とつながる操作盤のような物で、異次元の巨大コンピューターにつながっているらしい、ほぼ万能に近い性能があり、そのため所有権を巡って権力者達の間に争奪戦が始まった、その争いの途中形勢不利となった側が、手に入らないなら破壊してしまえと、ピロが保管されていた場所を爆破したのだそうだ、地球の爆薬の比ではない超化学で生み出された、、とんでもない超破壊兵器による爆発だったが、ピロはどんな兵器を使おうと破壊されないように出来ていた為、故障もせず無事だったが、計り知れないエネルギーの爆発で、時空が歪み狭間に放り出されてしまったそうだ、それから恐らく地球時間で何千年も宇宙をさまよっていたのだが、あるとき大きな隕石にぶつかり弾かれて、偶然地球のこの場所に落下して、岩に激突したが大気との摩擦で高熱になっていた為、岩がとけて穴のようになり、穴の奥に転がった状態になった、其れから何千年か市議ているらしい、何か気が遠くなるような、俺には訳の分からない話だった、その情報を俺の脳に直接送ってくれたのだが、俺の脳では理解できなかった、ピロの造られた世界と地球の生態系はほとんど同じような構成で、人類は全く同じ元素,形も構造も同じらしい、完成したとき、最初にある程度の時間触れた人間の体温と遺伝子に同調し、起動するようにプログラムされていたので、隼人が掴み持ち出し触れた事で、始めて起動したのだそうだ、詳しい事を説明されても難しくて隼人にはわからなかったが、又争いにならないようにピロは隼人とだけ意思が通じ、隼人にしか見えないよう自分を、設定してしまったようだ、隼人には見えているが他人には見えないそうだ、他に誰も居ないから確証はないが、とにかく隼人では想像がつかない能力というか、性能をもっているそうだ、持っていると断言できないのは、隼人では想像すらできない性能、はっきり言って訳が分からないのだ、、だが自分以外に見えないし、聞こえないのだから心配はないだろう、他人に話したら確実に狂人扱いされるだろうから、話せないし話す気もない、実際の能力のほんの一部を知っただけで、驚きを通り越していたのだから

「雨が降っていて、すぐには帰れないけど、これから俺と一緒に暮らす事になるんだ」

マシンだと言って居るが、話す事が出来る、俺なんか比較にならない知能を持っている、立派に人格以上の物を持っている、感情すらあるように思える、俺の一部として同化しているが同化、一人の人間として付きあう事にした

「よろしくお願いします、じゃあ、何時までもこんなところにいないで、帰りましょう」

「帰れるものならね、せっかく登頂して気分が良かったのに、この雨だ、どっと疲れが出て来たヨ、早く帰って寝たいよ」

「じゃあ、帰りましょう」

「帰るって、雨が止むまで動けないよ、下手に動いたら危険だ、霧も出ているし」

「栄太の部屋に帰ればいいの」

「帰るのは其処しかないけど、まず、下に置いてある車まで行かなくちゃ」

「じゃあ、車までね」

「はぁ、えっ」

「テレポートしたよ」

言われたと思ったら車の運転席に座っていた、馬鹿な、何だ、どういう事だ、岩の窪みにいたはずだ、突然夢の中に入っちゃった、何時の間に眠ってしまったんだ

「夢じゃないよ、しっかりして、早く家に帰ろう」

「テレポートって、マンガじゃないんだから、現実の筈がないだろう」

「これからは、こういう事がいっぱい起きるから早く慣れてね、其れから、言っておくけど隼人の考える事やる事は、全て分かるから、ピロとの会話に言葉はいらないよ、考えてくれればいいよ」

「そ、そうなのか、わ、分かったよ、兎に角帰ろう」

車のエンジンをかけると発進させた、余りの驚きでどうやって帰ったのか、兎に角、車で家まで帰ったが、道中の事は覚えていない、そんな状態がしばらく続いた驚きの連続だ、疲れ果てた俺はあるとき

「ピロ、俺が自然にピロを受け入れる事が出来る、そんな方法はないかな、ピロの性能が凄過ぎて俺の脳に、刺激が強過ぎて持たないんだ、驚きの連続で」

「そうなの、出来るよ、ちょっと待ってね」

そう言うとなんだか脳が温かくなってきた、全身がゆったりと気持ちが良い、其れなのに頭がスッキリして来た、気持ちよくて思わず目を瞑っていたが、目を開けると気持ちよくすっきりした気分だ

「ピロ、ありがとう、もうピロが何しても大丈夫な気がするよ」

「脳のレベルを少し上げて、ピロの性能を自然に使いこなせるようになったんだよ」

「そうか、ありがとう、これからも、お願いね」

「こちらこそ」

ピロの存在が自分の一部のように感じる、全然苦にならない、早く頼むのだった

ある日の事だ

「俺を強くすることなんてできるかなぁ」

そう聞いててみた

「うん、簡単だよ」

そう言ったとたん、隼人の体が何かに包まれたような気がした、見た目は何も変わらない、触っても何も変わらない、只なんとなく違和感があるだけだ

「何か試してみて」

「試すって」

散歩の途中の話だったので、今は公園のなかにいる

「あそこにある石を叩いてみて」

言われたままにその石を軽く叩いた、つもりだったが石が砕けてしまった、まるで大ハンマーで打ち砕いたように、自分で遣った事なのに驚いて尻餅をついてしまった

「どんだけだよ、怖いよこんな力」

「石で自分の体を叩いてごらん」

砕けた石の欠片を持って自分の腕を軽く叩く、痛くない、力を入れて叩く、痛くない、痛感が無くなったのかものに触ってみる、触感は大丈夫だ、腕を抓ってみる、痛いのが普通、そう考えると、痛みを感じた

「どうなってるの」

「隼人の体を特殊な膜で覆っているんだよ、膜の説明は難しいけど、筋力を高め衝撃に耐えるようになるんだ、上手く使えるように体を慣らさないとね」

「ほんとだよ、怖いわ、知らずに使ったら人を殺しちゃうよ」

「必要な時に現れる力にしてあるから、普段は何も変わらないよ、ただ、ピロのいた星は化学が進んで、人間は動かなくても全てが出来てしまう社会だった、だから人間は脳ばかり発達して、筋力がこの星の人間の十分の一くらいしかなかったった、だから同じ能力の幕をかけると、十倍、その十倍そのだから、百倍くらいの力なってしまったんだ」

「そうか、じゃあその事を頭に入れて、ピロが調整できるの?」

「うん、大丈夫分かったから、これからは、状況に応じて調整するね」

「頼むよ」

これがほんの一部なのだ、ホ本当に恐ろしいよ、脳をこういう事に耐えるよう、免疫的な感覚をを与えてくれたようだから良いのだが













お読みいただきありがとうございます。

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