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プロローグ
少年は願った。
みんなを救いたいと。
これまでの人生は、周りを蹴落とし、自分が頂点に登り詰めるためだけのものだった。
そんな彼を、変えてくれた仲間達が今、傷つき倒れている。
目の前の、強大な敵を倒すための力。
彼は必死に願い続けた。
「オレは…こんなにも無力なのか…。くそお…力が、こいつらをブチのめす力が…あれば…みんなを助けられるのに…。」
だが、目の前の敵は、無慈悲なほど強い。少年が置かれている危機的状況は、実力で覆せるものではなく、彼の負けは確定的だった。