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ウルトラマンの背中が曲がっていて、世界はとてつもなくあたたかかった。

ウルトラマンの背中が曲がっていた。

何のことを書いてるかわからないと思うけれども、いちど見ていただければ良い。昭和のウルトラマン、帰ってくる前のウルトラセブンの前の、いわゆる、初代と呼ばれている昭和のウルトラマンの話である。空を飛ぶときは流星形になって最も空気抵抗の少ない形の飛行方法をとるのだが(そーゆー人形)実際に怪獣や宇宙人と戦うポーズをとるときの姿勢と言うのは、おそらく柔道家か何かの構えをもとにしているのだと思うが、背中が、曲がっているのだ。背中が曲がっていて、両手を相手に向けて小さく構えて、それがひどく人間くさく、いわゆるカラータイマーのピコピコ音が鳴ったときに、それを見ている子供たちが、(早くしないとウルトラマンが負けてしまう)、と思ってしまう、絶対無敵のスーパーヒーローではなさを醸し出していた。で、ネタバレと言うにはあまりにも有名な最終回の敵宇宙牛ゼットンとのウルトラマン敗死のシーンで、出てくるゾフィーと言う名のウルトラマンの同族がいる。もう1人のウルトラマン、と言うわけだが、そのゾフィーの登場の仕方がかっこよく、別にゾフィーがゼットンを倒したわけでは無いのだが、幼い視聴者はみんなゾフィーがウルトラマンより強いと言う思い込みを持つに至っていた。最終回の前の回まで、己が身を犠牲にして地球人類を守ってきたウルトラマンに対して、失礼極まりない、と思いません?

その後、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエース、とシリーズ化されていく中で、ウルトラマンの背中はもう曲がってはいなくなってしまった。私にはそれが悲しかった。おまけにゾフィーが長兄で初代ウルトラマンが次兄、ウルトラセブンが三兄で、帰ってきたウルトラマンが四兄で、ウルトラマンエースがその弟、と言う図式ができてから、実生活で次女の私はなぜか初代ウルトラマン扱いされていたのが、とてと嫌な気持ちにさせられていた。あげた5人の中で初代ウルトラマンが1番弱そうだったから。けれどその嫌な気持ちとは別にそう比定されたからと言うわけでもないが、私は初代ウルトラマンのことが大好きになっていった。他のウルトラマンたちと全然違った。それは、キャラクターがまだ固まっていなかったからではあるだろうが、その背中が曲がっていたのは、初代だけだった。そんな少し老けたウルトラマンが、大好きになっていた、という話である。


「老いた」ウルトラマンとか書いて、なんか年齢が勘違いされそうだけれど、これはあくまで「妄想甚だしい」私が作り出した黄金の昭和30年代の過ごした今は大人の方の思い出ですよ。夢と希望と科学に導かれた、東京オリンピックと大阪万国博覧会がほぼ同時に行われた、日本にとって最も明るく華やいであれた時代といっても過言ではない夢の時代。

オールウェイズ、私はあの時代に生まれ育ってみたかったなぁ…。

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