「愛しい人の血液を飲まなければ消滅してしまう吸血鬼の恋人が病に伏せている」状況を全力でハッピーエンドにしてください。
「愛しい人の血液を飲まなければ消滅してしまう吸血鬼の恋人が病に伏せている」状況を全力でハッピーエンドにしてください。
だれかさんは
「愛しい人の血液を飲まなければ消滅してしまう吸血鬼の恋人が病に伏せている」状況を全力でハッピーエンドにしてください。
クリアできた貴方の人間レベルは【14】です。
#バッドエンドを覆せ
shindanmaker.com/716282
おう、吸血鬼。。となりましたが頑張ってみました!!
ただ、解釈間違えたかも!
「美しい女だ。我が物となれ」
そう一言言うと、そいつは私を連れ去った。
そいつは自身を吸血鬼だと自称して、私の血を好んで飲んだ。
そいつは私の手を恭しく手に取ると、指先に軽く歯を立てて、私はそうされると血を吸われているというのにゾクゾクとしてしまうのだった。
「おまえは実に美しく、血も格別であるな。ああ、おまえが私を愛してくれるほど、その血は更に旨味を増す。私もお前を愛しく思うほど、更にその旨味は増してゆくのだ。両思いとなれたのなら、どれだけそれは増すのだろう。」
そいつは私をただの餌としかみていないのではないか。
旨味を増したいがために、美しいと褒めては私に不満が出ないよう、良くしているのではないか。
そんなことで私がそいつを愛するようになるなどと本気で考えているのなら、本物の馬鹿だと思う。
そんなこんなであの夜拐われたあの日から、私は大切に扱われ、そして毎夜血を吸われて。
いつしかようやく気づいたのか、そいつは私に愛を囁いた。
「お前は実に美しく、私はうっかり忘れていた。」
「一目見たとき私はお前に運命を感じたのだ。
あの夜、一人月を眺め、静かに涙を流しているお前を、一人にさせてはいけないと思った。
連れ去ってしまえと何故かそうせねばいけないと思ったのだ。
あの日から、お前の気持ちが知りたくて、毎夜その血を求めてしまう。
しかし、私には、お前が私を想って血が旨味を増したのか、それとも私がお前を愛しく想う気持ちが増して旨味が増したのか、どちらなのかわからないのだよ。
しかし、日々確実に血は旨味を増しているのだ。
私はお前を愛しく想っている。
そのことをこれまでうっかり伝え忘れていた。すまなかった。」
ここへきてからはじめて、涙が溢れた。
あの夜、私は、大事な家族を喪った。
慌ただしく葬儀などを終わらせて、ようやく一息つき、そうしてようやっと喪ったことを受け止め、星になった家族を想って夜空を眺めていたのだが、どうやら私はそのとき泣いていたらしい。
そんなところに突然得体の知れない空飛ぶ男が自分を拐ってゆき。。
あれよあれよとそいつの家であれは好きか、これは大丈夫か、お前は私のものとして拐ってきたのだから、家の者共もお前が好きに使えと、それは騒がしく、そしてぶっきらぼうなような優しさが、また好意が旨味へと反映されるという血を求められるという餌にされたかのような非常識な状況が、自分はいったいどういう状況にあるのかをすっかり分からなくさせていた。
「私はお前を愛しく想っている」
「お前の気持ちが知りたくて、毎夜その血を求めてしまった。」
そうハッキリと言われて、私はようやく本気で愛されているのだと受け止めることができた。
のだが。
私は、私がこの男のことを、いったいどう思っているのかまでは、分からなかった。。
そんななか、男が倒れた。
この家の者たちが言うには、この男は
「愛しい人の血液を飲まなければ消滅してしまう病」とやらにかかってしまったと言う。
しかも「想い合っていなければならない」らしい。
血を提供するのに今更厭などないが、私はこの男をいったいどう思っているのだろうか。
考えてみたが、一つ思い浮かんだのは、
「この男がいなくなってしまうと、私はまた一人になってしまう。」ということだった。
これは到底愛しているとは言えるものではない。
しかし、居なくなられてしまうのは、、
「寂しい。」
「また一人になるのは厭だ。吸血鬼、どうか消えないで。」
私は男に血を与えた。
自信はない。しかし、確かに私はこの男がいなくなってしまうのは、もう誰かを喪うのは嫌だった。
「どうか、消えないで。また一人にしないで、吸血鬼!」
少しでも恋人のように振る舞うため、口の中を軽く噛み切り、口移しで血を与えてみる。
「どうか消えないで、目覚めて」
涙が男に降りかかる。
気づけば私は泣いて縋っていたらしい。
そして、どうやらその男を本当に愛していたようだ。
吸血鬼は、涙の粒が頬に当たった衝撃か、二度三度と瞬きをすると、一言。
「なんという、濃厚で甘美な味わいであろうか。」と、うっとりとのたまった。
「一言目がそれなのか、吸血鬼」
呆れて声をかけると、
「どうしたのだ、お前はなぜ泣いている?」
と心配そうに声をかけられてしまった。
「心配したのはこっちだ。
吸血鬼、お前、私がお前を愛しく思っていなかったら、消滅していたのだぞ?」
すると男はびっくりして、
「なんと!お前から私を愛しているなどと!
これは夢か?!」
嬉しそうにそうのたまった。
「気にするなら危うく消滅するところだったってところじゃないか普通?」
呆れてそう伝える。しかし
「そのために私にあの甘美で濃厚な血を、私に与えてくれたのか。真の愛の味、なにものにも比べられぬものであった。」
男はまた血の味を思い出し、うっとりと語る。
「だからそこじゃないだろう?」
そう声をかけると、男も。
「そうであった。
愛しき我が妻よ、お前のおかげで私は救われた。
危ないところではあったが、おかげで真に愛を確認することができた。
でなくば私は今頃こうして生きてはいなかったであろう。
愛している。結婚してほしい。」
「うっ、え?け、け。結婚?!」
「そうだ。家族となろう。
正式に我が妻となってくれ。」
信じられない思いでいっぱいで混乱する。
「家族に。。また、私にも家族ができるのか?」
「そうして泣いている姿を見ると、はじめてお前を見つけたあの夜を思い出す。
しかし、今の泣き顔の方が美しいな。私もとても嬉しい。
どうか私の妻となってくれ。」
混乱するものの、嬉しさでいっぱいで、
答えは悩むものではなく。
「はい。よろしく、お願い、します。。」
詰まりながらも素直にそう答えていた。
そういえば。
「吸血鬼、お前は本当に吸血鬼なのか?」
血を吸われるとき、あまりに痛みを感じなくて、本物の吸血鬼っぽいとは思っていなかったので、なんとなくこのタイミングで尋ねてみる。
「もちろん本物の吸血鬼だ。
ちなみに愛しき我が妻よ、お前も吸血鬼だぞ?」
「え?!いつの間に!」
「吸血鬼に血を吸われた者は、吸血鬼となる。聞いたことはないか?」
「知らなかった。。」
いや、聞いたことはあったかもしれないが、
それが自分と関係あることになるなんて思わなかったし、だとしても信じていなかっただろう。。
「ちなみに普通の人間とそう変わらん、日中外を行き来するもニンニクも十字架も障害とはならぬ。ただ寿命が遥かに延び、いつまでも若々しい程度よ。」
「ウワア。」
「ともに長生きしよう、我が妻よ。」
その我が夫のことばを聞いて
「まあ、一人にしないでくれるなら。」
妻となった私はそう答えてみた。
ハッピーエンド!
「ところで我が夫よ」
「む?ふふ、どうした我が妻よ。」
「私も吸血鬼なのであれば、我が夫の血をいただきたいのだけど。もちろん良いよな?」
「む?」
「あんなに言っていたではないか、さぞかし美味いのでしょう?まさか私ばかり吸われて、旦那様のはダメだなんて、おっしゃりませんよね??」
「む?うむ。そうであるな。しかし我は血を吸ったことはあるが、吸われたことはない。。」
もしかして怖いのか?
この男、人のは散々吸っていて。
しかし、こんな表情もするのか、面白い。
「大丈夫、痛くしないから。」
「む?うむ。」
「では、いただきまーす。」
ああ、これは、血もそうだけど、
いろんな意味で美味しくて、やめられなくなりそうだ。
ハッピーハッピーエンド!!