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選ばれし七人のお嬢様

 豪華絢爛、煌びやかに彩られた会議の間、――――部屋の隅から隅まで伸びたテーブルの前に腰掛ける七人の少女たち。


 奥側で両肘をつく――『魔女』は、半ば呆れ混じりの感慨を顔つきで示し、


「そもそも平等にしろと訴えること自体、アホみたいにダッサイのよ。それ、他人よりも劣ってますーって言ってるようなもんじゃん? そんなヒマあったらさっさと努力をしろと」


 その彼女の隣、姿勢よく着席する――『騎士』は、ふっとため息をつき、


「それは私たちのように、才能に恵まれた立場だから言えることよ。彼らの立場を考えれば、どうしても努力では到達できない世界がある。それはしっかりと考慮すべきじゃない?」


 舌を鳴らす『魔女』を見過ごした『騎士』の正面側――『王子』は、安らかに微笑み、


「ですが、才能の有無を言い訳にして努力を怠る人間は飽きるほど見てきました。無論、制度による格差の是正は有効ですが、彼らの訴えを鵜呑みにした法の制定は避けるべきです」


 『王子』の横で手を挙げた――『妖精』は、思案顔で瞳を閉じ、


「けど、この世論を覆すことは難しいでしょ。曖昧な法を制定したって、世間からはお茶を濁したと言われるだけ。私はお試しでもいいから、世論に従ってみるべきだと考えるよ」


 各々の意見に耳を傾けたのち――『姫』は、皆々を等しく見やり、


「私から言わせてもらえば、すべてを同じと扱うことを平等とは言えないね。だから法の制定には基本的に反対だ。だが、法を通して現実を知らしめてみるのも一手かもね」


 少女らの意見が一通り出揃った中、最後部に居座り五人を眺める――『死神』は、含みを持たせたようにクスクスと笑い、


「つまりあたしらは、『平等は結局ツマンナイ』って言わせる前提で法を執行したいわけだよね? けどけど、もしみんなが平等を受け入れたら? お試しでも当然、リスクは伴うよ」


 しかし彼女は、黙り込む五人を再び望み、


「でも、ここで制定しなかったらあたしたちの立場はないよね。子どもたちを代表するのがあたしたちお嬢様の立場。リスクはあるけど……ね、『神様』? 答えはもう決まってるでしょ?」


 最後は彼女に対し、簡素に確認を取った。

 出そろった六人の意見。最前方で皆を見晴らす――『神様』は、女神のごとく美しい顔立ちで、少女たちを今一度捉え、



「私たち時間の国のお嬢様は、――――すべての子どもたちを平等に扱う『学園ユートピア法』を制定します」

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