宝箱と 恋の成立
詩は 力の 源。
奏でる 音の葉は 癒やしとなって 人々を 安寧へと 導く。
力が コントロール出来なくて 闇雲に詩っては 人々を 強制的に 眠らせた。
だから 詩えば みんな ひっくり返った。
今は かなり コントロールできるから、詩っても こころを 陽気にさせ、
お酒を 美味しく飲ませることが できる。
おそらく、ここの メロディーグリーン亭の 亡き女将さんの歌には、
癒やしのちからが あったのだろう。
初代巫女姫からたどれば、その子孫は 国中に 拡散しただろうし、
ある意味 どこに存在しても おかしくないのだから。
ただ 強い核となる力を持つ者が生まれるときは、この世界に 大きな癒やしが 必要となるからであって
それが たまたま この自分に あたっただけのこと。
アレは それを感じたから 先手を打って 祖国をてにかけた までー
自分が 浄化する役目を 担っているのを知った(知らされた)のは、若様が 契約婚約を持ち出して頃だ。
その日は、本当に 大きな 満月が輝く 夜だった。
夜中に ふと目覚め、薬草庫から 外にでた。薬草の管理の便利さから、その頃は そこで
寝起きしてた。
ーリーンリリン、リーンリリン。
どこか 懐かしい 音色に 導かれ、その場所へと 自然に足が 向いてしまう。
気がつけば、そこは 一面 白銀色の 小さな花が咲き乱れる 美しい丘の上だった。
ーリーンリリン、リーンリリン
(ああ、銀鈴花ーぎんれいかーが 奏でる 音の葉だったんだ。
あれ? 何で あたし そのことを 知ってんだろう・・・)
ーそれは あなたが 私の娘 “アルティナンサーラ”の血を 継ぐものだから
その人は 優しく 語りかけてきた。
ふと 振り向いた先に 大きな満月を背にし、佇む 姿。
銀鈴色の髪を 優雅になびかせ、儚げに微笑む その方はー
「アルティナ様!」
そう言い放つと 頭を垂れ 片膝をつく。
(あれ、何で?体が 勝手に 覚えてるの?)
ー・・・(´・_・`)あのね、それ 間違ってるわ。
わたし、アルティナではなくて あ る て い な なの。
あ る い て な、でも は しっ て い な でも ないのよ♡
(ど、ど、どうしよう(^_^;)
ついて いけない、この モード。)
悩んで 黙ってると、アルテイナ様が 話を きりだした。
ーこしかけて。
少し 長い話に なるから。