宝箱と 恋の成立
「よろしかったのですか?あなたの 大切な 御方を・・・」
姫巫女を 迎えにきた精霊は 心配そうな 表情で 尋ねた。
「平気です。性格は曲がってますが、心は まっすぐな方ですから。
私の 気持ちも 理解して下さるはずです。
それより、普段の 物言いで かまいませんよ、ウォリアル様」
くすっと笑った顔が 心に ほんのりと 温かさを 届けてくる。
(微笑むだけで 癒やしを与えるなんて、半端ない 力なのね)
「ふうううーっ、助かったわあん♡
フィラリエラが ビシッときめてこい!って 言うものだから
無理してたのよん。
でも 私たちのこと よく ご存じでしたのね。
誰かに お聞きになりまして?」
「はい、アルテイナ様に。トリセツは 伝授して頂きました」
「とりせつ?あたし、鳥なんか 飼っていないわよ。
それに “せつ”って名前、ものたりなくて。
マルガリティエーヌって つけたいわ~・・・」
そして、斜め78°に 空を見上げ、うっとりと 妄想モードに 入っていく。
ー闇が存在する国は、以前ウォリアルが 守護していたの。彼女は 水の操り手。
そして 心は 乙女ちゃん。
あなたと 詩を 奏でるサイフェリアローズがいる国は、フィラリエラが 守護している。
彼は 光の操り手で、コスプレマニア。今は 獣形をとってるわ。
この二人は、精霊界の 三大奇人のうちの 2人よ。
「っえ、じゃあ もう一人は?」
ークロル。はざまの森の番人。私の親友の兄だけど、こいつが ラスボスよ。
そのうち サフィちゃんを 連れてくるから、会えるわ。
「・・・・・」
先日の アルテイナ様との話に出てきたけれど、実際あってみると 本当に こゆかった。
精霊って ある意味 すごいなあと 感心する(?)ばかりだった。
「待って!来たわ」
叫び声で 我に返る。みると 前方に 黒いモヤモヤが 見えた。
ーオマエガ ギンレイノオトメカ?
暗く冷たい 声が聞こえ、すくみ上がった心は 身体の動きを 止めてしまっていた。