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転職できてますか?

 渡された革袋は本物っぽいな。

 金貨10枚減ってたし。

 何か久しぶりだけど、ステータス出ろ。


名前:ラル 種族:ライカンスロープ(人狼)


基本ステータス(魔拳士Lv.1 拳闘奴隷Lv.12)


STR  745  (+50) [+30]

VIT  791  (+50) [+30]

AGI  769  (+50) [+30]

INT  445  (+50) [ー4]

LUC  422  (+50) [ー4]


【スキル】

言語理解 格闘Lv.10 剣Lv.3 魔法(火)Lv.5[213/300] 魔法(風)Lv.1[0/50]

魔法(回復)Lv.1[1/50] 視覚強化Lv.10 聴覚強化Lv.7 嗅覚強化Lv.6

腕力強化Lv.10 脚力強化 Lv.10 家事Lv.3 鑑定Lv.10 鷹の目 暗視 

剛腕Lv.3 剛脚Lv.3 投擲Lv.10 暗殺術Lv.10 自然治癒力UPLv.10

強肩 レーザービーム

毒の知識・使用 不意打ち 急所看破 気配遮断 急所一撃破壊 変身

魔法拳(火)、魔法拳(風)

【称号】

巨人を素手で倒した 看守をボコボコにした 高利貸し 小犬族コボルトキラー 殺人者


【ポイント:551,500P】


 うぐぅ、称号に殺人者とか入ってる。

 いや、確かに殺したかもしんないけどさ。

 もうちょっと、気を利かせて貰いたかった。

 先生に蘇生して貰ったから……多分セーフ、セーフだよ。

 まあ、多分そんなところまで見られることはそうそう無いだろうけどさ。

 よし、気を持ち直して、ちゃんとステータスを見よう。

 お、本当にレベルが上がってる上に転職出来てる。

 スキルに魔法拳とか増えてるし。ヤバイ、厨二病をくすぐられる。

 その前に、以前のレベルが書いてあるのはなんなんだ?

『サービスだよ。この二つの職業なら君の任意で職業変えれるからね。

 後、職業極めるとスゴイ事が起きるから。頑張ってね』

 オイ、頭の中に直接声が響いたぞ。ソレが出来るなら最初からやってくれていいのに。

『そうはいかないよ。そんな事したらこっちが面白くなくなるからね』

 ああ、そういう意図も有るんだ。

『できれば君には自分の力だけで頑張って欲しいから。

 ん〜、まあちょっとした遊び心ダヨ』

 畜生め。

『僕は家畜じゃないからね。あんまり目に余るようならペナルティ課すよ』

 ごめんなさい。ペナルティとか恐いから止めて下さい。

『結構素直なんだね』

 上の物には逆らわないよう勤めてたからね。

『まあ、今回は見逃してあげるよ』

 有難いな。

『今回はだからね』

 次はその限りじゃないってことだな。

『察しがいいね。楽しませてくれたらその限りじゃないからね』

 せいぜい楽しませるように頑張るさ。

『そうそう、そんくらいの気持ちでいてくれたほうがいいネ』

 まあ、話すことはこんくらいかね?

『焦んないでよ、一応忠告ダヨ。

 君、この後少し試練を入れといたから。

 せいぜい僕の機嫌を損ねないよう頑張ってね』

 オイ、恐いな。

『君の幸せを祈ってるのは本当さ。

 でも、それと僕の娯楽は違うから。まあ、死なない様に気をつけて。

 後は、いつでも見られてるってことを忘れないでね』

 俺の考え読みながら話してるよね、神様か何か?

『僕は神でも天使でもナイヨ。

 強いて言うなら君をそっちの世界に送った悪魔さ。

 僕のことをせいぜい楽しませてよね』

 その割にはサービス良いよね。

『悪魔は本来ヒトの望みを叶えるために出てくるもんなんだよね。

 望みの対価が命だったりするだけだよ』

 そんなものなの?

『まあ、君の場合は望みを叶える前に命が尽きかけてたけどね。

 君の残り寿命を使って君の生きたいって望みを叶えたことになるかな』

 ソレって後何分、何秒の世界だな。

『それほど強かったんだよ』

 何が?

『君の今際の際の感情。

 僕がちょっと遊びたくなるくらいにね。

 まあ、その感情が一番美味しいんだけどね』

 悪魔みたいだな。

『まあ、僕の暇つぶしに付き合ってよ。

 楽しませてくれてる間はサービスするからさ』

 まあ、俺も楽しませてもらってるからな。

 そっちも俺を見るのを楽しんでくれればいいよ。

『まあ、何か面白そうな事になったらまた覗くよ』

 飽きられないようにするからな。

『いいねぇ、その意気で頑張ってね。

 じゃあ、通信を終わりにするから』

ーーガチャーー

 おい、何か黒電話置いたような音がしたよ。

 通信とか言ってたけど、道具は結構アンティークなんだな。

 まあ、サービスしてくれたんなら有難いな。

 というより、職業変わってもステータスは引き継ぎなんだ。

 将来的にはそのステータスを超えるって言うシステムじゃなくてよかった。

 そうしたら、今日やった奴らに勝てなくなりそうじゃん。

 一応、称号鑑定しておくかな。殺人者を鑑定っと。


 ※殺人者:ヒト殺すとかヒク [ヒト型の相手に対して攻撃威力プラス補正]


 説明文はひでぇけど称号が初めて仕事してるよ。

 ヒト型とかスゴイふわっとした説明だけどね。


 あとは、確か職業を任意選択出来るって言ってたっけ。

 よしよし、それじゃあ今は拳闘奴隷にしておくか。

 あ、ステータスのハイライトが移った。

 今は魔拳士のほうが少し暗い表示になってるな。

 コレで今は拳闘奴隷ってことか。

 あれ、コレ意外と便利な機能なんじゃ無い?

 職業選択の自由を手に入れたってところかな?

 ちょっと待て、コレはサービスだって言ってたよな?

 しかもこの後試練を入れるってのも言ってたな。

 サービスに対して払わされる対価が恐ろしい事になりそうで嫌だなぁ……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ハアァ……」

「珍しいですね、レンさんがため息なんて」

 ため息もつきたくなる。

「いやな、ラルのことなんだが……」

 そう、闘技場(ココ)で最近連勝を伸ばしてる奴がいる。

「ラルって……誰ですか?」

 何だコイツは、そんなことも知らないのか?

 ココ何ヶ月かで一気に5勝を上げたアイツの事を?

「あ〜……巨人殺し、だ」

「へ? 巨人殺し?」

 巨人殺しまで知らないとか言わないでくれよ。

「ああ、最近の注目株ですね。ラルって名前だったんだ」

 まあ、いちいち拳闘奴隷の名前を覚えてる訳無いか。

「そう、そいつだよ。5戦目やっただろ?」

「上級冒険者パーティーと、でしたよね?」

「全く寄せ付けないで勝っちまった」

「はぁ!? 上級に上がりたてとはいっても実力はありますよね?」

 普通はそうなるよな。俺も感覚が変になってきてんのかな?

 ラルが勝つのが当然みたいな感じだったし。

「レンさんは、ソイツが勝つって思ってたみたいですね?」

「勝つとは思ってた。相手を殺すなとも言ってみた」

 最終的には殺しちまったみたいだけど。

「ため息の原因はソイツの殺人ですか?」

「半分違う」

「半分は合ってるんですね」

「いやな、アイツさ、性根が良いやつなんだ。

 だけど、甘いところが多くてな。

 今回ので壊れちまわないか心配なんだよ」

「ため息のもう半分はなんですか?」

「上級の奴を倒したせいか、挑戦者が全くこなくなった」

 そう、幾つか有った挑戦状が違約金と共に取り下げられた。

闘技場(ウチ)としては儲かりましたよね?」

「アイツの戦闘は面白いみたいなんだ。

 戦闘のある時と無いときでは儲けの方がかなり違う」

「じゃあ、又の森で害獣でも捕まえて・・・・・・」

「害獣だと相手にならなさそうだな・・・・・・」

 多分、蹂躙するだけだ。

「ダークトロールとやらせるとか?」

「2戦目にもうやってる。

 だから、巨人殺しだ。死んでないのにな。

 お互い9勝したらまたやるんだと」

「もうやってる上に勝ってるんだ・・・・・・」

「せっかくだから約束は守らせてやりたい」

 甘い考えだけどな。

「もう、相手が居ないんじゃないですか?

 いっそのこと、森か迷宮に捨てるとか?」

 迷宮か、森か、か。あ、これならいけるか?

「いっそのこと、迷宮探索者(ダンジョンシーカー)にしちまおうか?」

 ある意味面白いかもしれないな。

 5層くらい、進む度に1勝分みたいにすればいいか?

 この街の近くの迷宮は確か5層で一区切りされてたよな?

「奴隷でもなれましたっけ?」

「荷物運びなら、奴隷でも潜ってるぞ?」

 あくまで荷物運びだけだが、入れないこともないか。

「戦闘してるってのは聞いたことないですよねぇ」

 俺の紹介ってことで、登録しちまえば良いんじゃないか?

「レンさん、何か悪い顔してますよ?

 闘技場(ウチ)の奴隷はオーナーの所有物です。

 我々の判断でどうこう出来ませんよ」

「う~ん、とはいってもなぁ・・・・・・

 相手がいないんじゃ資源の持ち腐れだ。

 ほら、まだここの近くの迷宮攻略されてないだろ?

 丁度良いんじゃないか? 

 20層攻略したら4勝分! みたいにすれば」

 名案だと思うんだがな。

「上級冒険者や探索者で攻略出来る位ですよね?

 キツくないですか?」

「問題ないだろ?

 なりたてとはいえ上級冒険者を圧倒してるんだから」

「問題ありますよ。

 そっちに行かれると闘技場(ウチ)の儲けが減りますよ?」

 う~ん・・・・・・これも賭けに出来るよな?

「攻略出来るか否かと、何層まで行けるかを賭けの対象にしよう。現在の最高到達階層は確認しなきゃいけないけどな」

「どうやって奴隷の到達階層を調べるんですか?」

「契約の首輪と、念話の腕輪を支給すれば良い」

 多少値は張るけど儲けの方がでかくなるだろ。

「そんな高級品支給して、戻ってこなかったらどうします?」

「買う金は一時的にラルに払って貰おう。

 アイツたしか500枚位金貨持ってる。

 それに、預かってる金貨もまだ5枚ある」

「何で奴隷がそんなに金貨を持ってるんですか?」

「アイツな戦闘のある度に自分に持ち金全部賭けてる」

 そんで全部勝ってるんだから、増えるの当たり前だ。

「てか、レンさん。話しながら何書いてるんですか?」

「提案書」

 喋りながら、紙に概要をメモを取る。

 賭けの内容、オッズの予測、この賭けによる儲けの試算、失敗時のリスク等々

「喋りながらよくそこまでの内容を予測できますね」

「お前も出来るだろ?」

「普通出来ません。メモを取るだけで精一杯ですよ」

 まあ、簡易的にではあるが提案書としてはコレで上出来だろう。

「コレで提案書レベルだって言いはるんだから・・・・・・

 周りのレベルと違い過ぎますよ。企画書って言っても大丈夫なレベルですよ」

「何言ってるんだ? 試算も予測も机上で考えただけ、雑談レベルのものなんだぞ。

 失敗時のリスクなんて考えてもいないようなもんだしな。

 企画書にするにはまだまだ足りてない」

「失敗することなんか考えてないくせに、よく言いますよ。

 できれば食料の予測も入れておいたほうが良いと思いますよ。

 1日や2日でクリアできるようなところじゃないですし。

 上級の冒険者、ベテラン探索者で最高到達地点まで2〜3週間かかるみたいなんで」

「やけに詳しいな?」

「僕は一度挑戦してるんです。3日で断念しましたがね」

「何ヶ月か前にまとめて休暇取ってたのはそのためか。

 お前の試算ではどれくらい掛かりそうだ?」

「とてつもなく早く進んで1ヶ月、不慣れな場所での活動なので、3ヶ月はかかるかと。

 あの迷宮(ダンジョン)の予測最下層は確か50層。

 僕が行った時の最高到達地点は30層ですよ」

「ついでに最高到達地点以降の地図作りも依頼するか。

 地図の出来いかんによっては追加で報酬をだす、と」

 少し多めの試算ではあるがこんなもんだろ。

 最後に俺のサインを入れて、と。

「これで出しておいてくれるか?」

 まあ、こんなもんだろ?

 今度アイツに伝えれば良いだろう。





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