第二話☆恋に落ちる☆
あなたに恋をするのに少し時間があった。夏の季節にたった1つの出来事で私はあなたに、先生に恋に落ちました。この日から先生の大きな背中を追いかけ始めました。
先生の出逢った日のことを
今でも私は覚えています
先生は?
先生から見て
私の第一印象は
どんな感じでしたか?
私から見て
先生の第一印象は
予想以上に違ってました
もちろん
恋心なんて
ありませんでした
なのに私は…
どうしてあなたに
先生に
恋をしてしまったのでしょう
-恋に落ちる-
入学したてのころに見た
学校前の校門に
咲き乱れた桜が散り
もうすぐ夏が来ようとしていた
『おはよっ!』
理穂が後ろから
いきなり私の肩を叩く
『もぉ〜驚かさないでよ〜』
日を重ねるごとに
高校生活が楽しくなり
毎日笑顔で過ごしてた
少し着なれた制服
シワが増えた教科書
座りなれた席
何不自由ない生活をしてる
なによりも友達といることが楽しかった
朝学校に行くと
笑顔で挨拶をしてくれる
返してくれる
冗談を言って笑いあえる
トイレについてきてくれる
お弁当を一緒に食べあう
不安だった入学当初…
もう不安なんてなかった
悩みなんてストレスなんて
悲しいことなんてなかった
そう…『なかった。』
この日まで。
『一時間目…保健だよね!?』
理穂が教科書を出しながら私に問いかける
『そうだね!』
笑顔で返す
いろんな先生の授業を聞いて
保健の授業が一番好き
教師とか関係なく
先生がやる授業が好き
面白くてわかりやすくて
なによりも自分の今後の人生に
必要な知識ばかりだから
それにあまり当てられないしね
―キーンコーンカーンコン♪…
一時間目の始まりのチャイム
いつもの先生なら
チャイムの前に来るはずなのに
来ない…
10分経過
20分経過……
30分……
『忘れてんじゃね?』
私の隣の男子が言う
確かに…
こんなに遅くなるなんて
いくら他に用事があったにしても
言いに来るだろう
忘れられてるな…
呼びに行こうと思った
『ねぇ!理穂。呼びに行ったほうがよくない?』
私が言う
それを聞いていた男子が
『いいって、忘れたほうが悪いんだし』
その言葉に皆も納得する
ここで私だけ呼びに行ったら
確実に責められる…
確かに忘れるほうが悪いよね
そう思い携帯を出し遊ぶ
―キーンコーンカーンコン♪……
結局先生は来なかった
喜ぶ皆
『やったね!』
理穂も喜ぶ
『うん…』
少しだけ、少しだけ…
罪悪感があった
私がいた
眠たいながらも
過酷な六時間が終わり
放課後…
今日は部活♪
体育館に向かう
体育館を覗くと
まだ使ってる様子だった
『待ってよ〜』
体育館入り口前で
空くのを待ってた
『東原?』
左の方から低い声
それに振り向く私
そこに斎藤先生がいた
『こっこんにちは』
いきなり声を掛けられ驚く
『C組の東原だよな?』
少し不安だったのか聞き返す先生
『そうですよ』
落ち着いて返事をしたが内心驚いてた
完璧に覚えていた
覚えてくれてた
嬉しさが込み上げる
『良かった、それでさ…』
笑顔から真面目な顔に変わる先生
次の一言に空気が止まる
『もしかして今日授業あった?』
私の口がポカーン開く
『変更だって言われたから行かなかったんだけど…』
頭をポリポリかいて
私の顔を見る
なかったと嘘をつくべきか
ありましたと白状するべきか
小さな葛藤…
『………。』
ちょっとだけ先生を見る
私に答えを求めてる目をしていた
嘘はつけない
そう思い今日授業があったことを白状した
『先生?あの…今日…授業ありました…』
今度は目を見ないで…
見れなかった
確実に怒られる思ったから
『…それで…どうした?』
ちょっと強めの口調
『…呼びに行こうと思ったんですが…皆が呼びに行かなくていいって…』
『……そっか』
今度は悲しい声で
『……ごめんなさい。』
先生の目を見て謝罪した
『いや…東原だけが悪いんじゃないから。聞き間違った俺も悪いし…』
『ありがとなっ!』
そう言って先生は笑った
笑顔で…私に向かってお礼を言った
そう…“お礼”を
片手を挙げ体育準備室に入ってく先生
そのとき…
そのとき……
時が止まった気がした
授業をサボったのに
あなたは怒りもせず
笑顔で素直に話してくれた私に
お礼を言った
その笑顔が
愛しく思えた
恋をしたんだと
あなたの後ろ姿を見ながら
心臓が破裂しそうだった
この日から
あなたの
先生の大きな背中を
追いかけ始めた…
『恋』なのか
『憧れ』なのか
曖昧な想いに
揺さぶられながら
蝉が鳴く季節に
私は
あなたに
恋をしました …ーー
読んでいただきありがとうございます!コメントしていただけると更新頑張ると思います☆(笑)