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第10話 訓練準備し、集合せよ!

軍隊の携行食は進化を遂げてきた。より小さく、手軽で、より栄養豊富、高タンパク、高カロリーに、反面、味は2の次だ…

訓練室のベッドから乗員待機部屋まで運ばれていたようだ。翌朝目が覚めると、昨日と居た部屋が違ったので若干驚いた。起き上がったタイミングを見計らったかのように部屋にアナウンスが流れ始めた。


「おはようございます。シーマ2等兵、10:00から各車両全体訓練の予定が入っております。規定時間までに装備を整えてハンガーに集合してください。現在時刻は9:34です」

「了解」


とりあえずベッドから降り、身体の感覚をチェックする。点滴は寝ている間に外されたらしく、ガーゼが貼られていた。感覚的に身体は問題無いようだ。気分も悪くない。服を着て部屋を出ると、長い廊下だった。案内に従ってまずは食堂を目指した。考えてみれば、昨日の着任以降何も食べていないのだ。思ったより空腹ではなかったが、食べることも重要であると着任前の基礎訓練で習った。食堂に付き、列に並ぶ。さすがは軍と言うべきか、列もきっちりしており、スムーズに進む。プレートとフォークを手に入れ、更に列を進んだ。私の番だ。


「10:00の訓練に出るので軽食をお願いします」

「はいよ、あんた新人だろ?この列じゃ間に合わないから、隣の動きの早い方に並びな、訓練行く人はそっちさ」

「ありがとうございます」


教えてもらった方を見ると、こちらよりかなり短い列があった。私もそちらに並ぶ。職員が素早く、兵の持つプレートに何かを投げていた。私の番になってみると、スティック状の物質2本と、ペットボトルの水だった。


「え?これだけですか?」

「訓練前はそうよ?あなた新人?」

「はい、きの…」

「早くしろよガキが!」

「失礼しました!」


後ろにせかされ、そそくさと移動する。他の兵はスティックの袋を破り、中身を食べて水で流し込むと、さっさと部屋を出ていった。


「よう、新人さんよ」

「はい?」

「何してんだ?キューブくらい早く食っちまえよ」

「キューブとは?」

「今持ってる四角い奴さ、何が入ってるのか知らないが、栄養はピカイチらしいよ。早く済むしな。分かったら急げよ?」

「はい、ありがとうございます」


キューブと呼ばれるこの食べ物、食べてみると、パサパサだった。味は悪くないが、水がないと食べるのはつらい。食べ終わると、プレートを流しに出して。ハンガーへ急いだ。すでに15分前だ。急ぐ間にも、走っている廊下にアナウンスが流れる。


「各車両全体訓練開始15分前、各車両の乗員は直ちにハンガーに集合してください。繰り返します…」


私がハンガーに着いたのは開始11分前だった。


「よし、全員揃ったな。こちらKV1車長、乗員の集合を確認、訓練の説明後、搭乗して待機する」

『こちら指令センター、了解』

「よし、では訓練内容を説明する」

「了解」


私の、着任2日目が、始まろうとしていた…


第10話 完

第10話です。いきなり遅刻しそうになりましたね。食堂の人に感謝せねば(^_^;


次回もお楽しみに

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