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4 どうやら食レベルが微妙に残念のようです

今日の朝ご飯はパン。


正確には堅パンのお魚サンドで、お魚はやいてある。スズキっぽい淡白なお味。

他に具は無し。


昨日の夜もパン。


正確には白パン1つとお野菜のスープと焼いた小魚。10センチくらいの青魚で骨が沢山で大変だった。


多分今日のお昼もパン。

そして晩ご飯もパン。


うちは割と繁盛店だからお昼過ぎにはパンが売り切れる。

だから毎食のパンは売れ残りってわけじゃない。

でもパンパンパンパンパンパン続くと飽きる。

だって現代日本のパン屋さんみたいなバリエーションがあるわけじゃないのだ。

うちで主に作っているのは堅パン、白パン、長パン、黒パン、丸パン、大麦パン。

それと日替わりで1つ。今日の朝ご飯みたいに何かサンドしたもの。


ラインナップを見ると一目瞭然。

甘いパンは無い。

そしてふんわりと柔らかいパンも無い!

マジで日持ちと腹持ち重視過ぎでしょ…。


堅パンは超マジ堅い。よくこんな物を5歳児に食べさせるなぁと思うくらいには堅い。

挟んである焼魚は焼魚だけで食べる。

パンは千切って口の中でふやかして咀嚼。

焼魚の塩気でやっと食べられる感じだ。

長時間の咀嚼で顎の付け根が痛くなり満腹になる。

満腹にはなるけど食にこだわる日本で育った経験はとても私には不利なファクターだ。

毎食毎食微妙で残念なのだから食での幸せには程遠い。

ただ、貴族や王族がスンゴイ美食をしているかっていうと実はこの世界のこの国に関してはそうでもないと言える。


だってパンは貴族も王族もほぼ同じ物を食べているのを知っているから。

嘘じゃないよ?

王城のパン焼き職人さんが病気でお休みしてた時にはうちのパンを注文していたんだもの。

後日「ことのほか美味しい」とお褒めの言葉と厚地の綿の布を頂いたし。


何この食レベル。


多分貴族とか王族とかは魚が大きかったり、庶民があまり口にできない果物が食べられたり、お砂糖が少し使えたりするぐらいなのだと推測している。


確かにうちは1日3回食べられてる。

1日に2回や1回の家もあるくらいだからうちはまだまだ幸せなのだ。


だけど!

もっと美味しく食べたい。もっと美味しいものを食べたいと思ってしまうのは罪でしょうか?

イ~ヤ、否否否否否!断じて否である。


そんな思いを鼻息で表しながら微妙な朝ご飯をようやっと平らげた。

顎疲れた~~


私がこの世界で楽しく平凡に過ごすためには食の改革が必要よね。


うん、できることからコツコツと!

先達は上手いこというよね~。


私のうちはパン屋さんなんだからここから少しづつだよね!


お店が開店してしまえば5歳の私にできることは殆ど無い。


ちょっと思案してから自分の部屋へと戻り斜め掛けのカバンにあれやこれやを詰め込んだ。

とりあえず街を巡って食の改革に使える物を探さないとね!



次は母回です。

読んで下さった方ありがとう~

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