初めての誕生日
熱中症で時間が出来たので更新しました...
暗い...
久しく思える感覚だ...
最初に味わって以来の、完全な暗闇...
そこに、痛みが走った...
僕は突然の事に驚き、声を上げた...
「おぎゃー、おぎゃー!」
声は出るが、言葉にならない...
そうか、これが赤ん坊なのか...
「はぁ、良かったですね!生きてましたよ!このまま産声を上げなかったらどうなることと思いましたよ」
「はぁ、はぁ、よかった...私の可愛い赤ちゃん...」
「おめでとうございます!元気な双子ですね」
そうか良かった、ちゃんと彼女の魂と産まれてこれたようだ...
「はぁ、この子は...カリーシャ、カリーシャ・ベルトリオット...こっちの子は...カムシム・ベルトリオット...」
「はい、そのように登録しておきます」
「はぁ、あぁ可愛い...」
.....
それから二年経った...
僕にとって、この世界のものは全て新鮮なものだった...
初めて見ることばかりだ...
世界の外から眺めるだけでは知りえなかったこと...
ここに来て、彼女に付いて来て、本当に良かった...
「さぁ、二人とも!お食事ですよ」
僕たちの産みの親、セルシー・ベルトリオット...
「今日は、っと言ってもまだお乳だけどね?」
彼女、今はカリーシャという名前の、僕の姉...
カリーシャは、貪るように乳を吸っている
僕もお腹が空いているので乳を吸う
人の身になって初めて空腹という感覚も僕には、とても心地良い感覚だ...
何も感じず、だた見ているだけとは違う、見て聞いて感じる、とてもいい気分だ...
「ふふっ、本当に可愛いわ...貴方にも見せたかった...」
セルシーの夫、僕たちの父となる人は、戦争で亡くなっているらしい
戦争は人の本能の様なものだ...
知識のせいで大きく見えるだけの、だだの闘争に過ぎない...
しかし、それで落とす命はやはり多いだろう...
おかげで、魂を選別するのも大忙しだ...
みんな、しっかりやってくれているだろうか...
お腹が満腹になり、母に背中を叩かれる
しかし、これをやっておかないと、ゲップが出ずに苦しくなるのだ...
あの時は凄く苦しかった...
ゲップを出し終わり、ベッドへ寝かせられる
色々見て回りたいが赤ん坊なので仕方ない...
この姿になり、時が長く感じる様になった...
恐らく取り入れる情報の密度のせいだろう...
そのおかげで、毎日が楽しくて仕方ない
あぁ、それでも眠くなってしまう...
赤ん坊だからしかたないか...