彼女と出会った日
色んなものを創り出してから、とても長い時間が流れた...
僕にとっては、ほんの僅かな時...
地球の四季の映り変わりを見たり、生命の進化を楽しんだり、色々なことをした...
でも、独りではあまり楽しくない...
そう思った僕はあることを考えた...
自分の力で生み出す、もう一人の僕じゃない僕...
そうだ、区別を付ける為に性別を創ろう...
今までの生命は、分裂による増殖だけだった...
そこに性別が加わり、個性が生まれた...
そして、進化は加速した...
色々な星を見に行き、進化を待った...
久しく地球を見に行くと、人と言うものがいた...
まだ、幼い、木の実を採って生活していたころだ...
更に時を進め、人は石や木で住みかを造っていた...
今見ているのは、ローマと言う所らしい...
そこでは創造主、つまり僕が、神と言うものに祀り上げられていた...
そして生贄と表し、子供や若い女性を殺して神殿に供えてあった...
それを見て僕が感じたのは、虚しさだ...
そして、ついに僕にも限界が来た...
僕は生贄にされる前の人達を、その世界から引っ張り上げ、新しく創った世界へ移した...
しかし、即興で創った世界には、僕の力が渦巻いていた...
その力を吸った人達は、既に人では無かった...
僕に近い、それでいて遠い、中途半端に力を持った人の形をしたものが出来た...
だが、力を持ち変異した体になっても、自我は残った...
そして、皆は僕に恩返しをしたいと言ってきた...
しかし、世界を動かすには僕独りで足りている...
そこで思いついたのが、各ものに世界を分け与え、どんな世界になるか楽しむということ...
そして、多種多様な世界が出来上がった...
その中で、目を引くものがあった...
一人の女の子...
その子の魂と呼べるそれは、とても美しく心惹きつけられるものだった...
そして、僕はその子に会うために、意を決して地上に降り立った...
その世界、その惑星自体は、特に他のものと変わらなかった...
しかし、実際に目で見たこの子は、とても小さく、華奢なものだった...
それから時が経ち、その子は流行りの病で亡くなった...
しかし、魂は残り、新たな命へと移り変わる...
それを目で見て初めて分かった...
命とは、とても儚く脆いものだと...
それを初めて知った僕には目標が出来た...
何としても、あの魂の行く末を見守ろうと言う目標が...
なるべく更新は早めにするつもりです
一話2、3分で読めるものを目指しています