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夢生  作者: 愚か者
1/3

自慰行為

※人によっては不快な表現が含まれています、閲覧の際はお気をつけください。


僕には大切な彼女がいた、とても大切だった。


その彼女とは毎日朝から夜までスピーカーを通じて話していた、その時間の全てが有意義だった。


彼女の花のように笑う声に癒され、その声を聞きたいが為に僕は愚かな道化を演じ続けていた。



だけど

自分を殺し続けてまで大切にしていた彼女はもういない。


彼女の心のどこにも僕の居場所はもうないのだ。


僕は彼女に愛を捧げすぎた、僕の異常なまでの愛は彼女の自由な心を重い鎖でがんじがらめにしていたのだ。


彼女の心は次第に僕から離れ、一歩距離を取るようになっていた。


1日返信が無い日が多くなった、僕の知らない用事が多くなった、彼女の態度が冷たくなった。


他の男が出来たとか、そんな邪推は僕はしなかった

自分が彼女の事を幸せに出来る自信なんて1mmもなかったからだ、他の男が出来たならそれでいいソイツが僕の代わりに彼女を幸せにすればいいのだと。


必死に言葉を紡いで、不安感を誤魔化した。


いつだって言葉数の多い時は不安な時である、正常な人間がただ無意味に自身がいかに正常であるか語る事があるだろうか?


ある筈はない。


全てただの自慰行為、誰も聞いてもいないのに語り続ける、誰かに知って欲しいけれど誰にも知られたくない、そんな矛盾が僕なのだ。


彼女に捧げた道化は今も僕の中で生き続けている、誰も見ていない劇場で一人孤独に喜劇を演じ続けている。


もはや、彼女の事を語りたかったのか、自身の哀れさを語りたかったのかわからなくなっている。


これは僕のただの自慰行為、見られたくない恥部をさらけ出す愚か者、見たくもない現実から目を背けスマホ液晶にただただ心を書き殴る表現者。


これで少しは心を鎮められるといいのだが。





自慰行為は余計に欲を強くするのだと、知っているはずなのに、なぜ始めてしまったのか?


僕は愚か者だ。





自慰行為にお付き合いいただき、ありがとうございます

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