資格試験編66〈鳴神タイガと本条レイジ〉
その夜、白金は外に出ていた。
外から眺めた試合場は、前日の熱気はなく、月の明かりに照らされていた。
「なに、感慨にふけってんだ?」
そこには鳴神タイガの姿が。
「あ?なんだよ..」
「まあそう構えんなよ。お前に本条の話をしようかと思ってよ。」
「俺は負けただろ」
「試合ではな。」
「は?」
「俺はお前に俺の技を防ぎきったらお前の勝ちだと言ったんだ。」
「あ..」
「勝負はお前の勝ちでいい」
「なんかうれしくねぇな。」
「その後勝手にのびてやがったのはダサかったけどな」
「うるせーよ」
「で?なんでお前は本条を追ってるんだ?」
「俺がまだ小さい時、本条レイジは俺にクラフトを教えてくれた。」
「え?」
「フォース襲撃事件の少し前だ。俺を鳴神の人間とは知らなかっただろうがな。俺は昔から家族とは折り合いが合わず、度々家を飛び出していたんだが、そんな時偶然俺は奴に会って、少しの間共に過ごした。」
「奴と...」
「俺にとってあいつは、鳴神のやつらとは違って自由で..自分を信じて生きる、かっこいい男に見えた。
そしてしばらくしてフォースの襲撃事件が起きる。」
「それであの事件には何か裏がある..と?」
「ああ、その後、フォースのやつらに近づきいくつか仕事もしたが...
やはり何かきなくせぇ」
「何かって」
「いや、はっきりしたことはわかんないんだが。だから俺は本条レイジを捕まえて、何があったか吐かせてやるんだ」
「・・そういうことだったか。」
「ああ、それと..おまえは創造神の加護を持っているな?」
「試合中もそんなこと言ってたな。なんだそれは。」
「お前の赤い力、あれは創造神の加護と言われ、精製の始祖とされる創造神の力の一旦が顕現したもの..だそうだ。」
「創造神?...それが何だってんだ。」
「その力が何なのかは俺も知らねぇ、だが、その力を欲しがってやがる奴がいる。」
「誰?」
「第五支部支部長 黒野だ。」
「なんでお前がそんなことを知ってるんだ?」
「俺も加護を持つものだからだ。」
「おまえも?赤く光ってはいなっかったが」
「俺はお前ほど赤く光らない、それに俺の雷電は強い光を放つから、加護の光がかき消されているんだ。その力を持つものは、大量の精製力の総量を持ち、赤い光を放つことが特徴の様だ。」
「第五支部の支部長は、加護を持つものを欲してどうするつもりなんだ。」
「それはわからない。が、黒野は裏ではいい噂の無い野郎だ。お前も奴には気を付けろ。」
そういってタイガはその場所から去ろうとする。
「おい!おまえはフォースに入って何をするつもりなんだ!」
「さっきも言っただろ、襲撃事件のことを調べながら、S級任務に就く。
お前が復讐を考えているなら、お前より先に奴を捕まえるだけだ。」
白金は去っていくタイガの後姿を見つめる。
「なにがなんだってんだ...。」
翌朝、白金、志野川、烈島達は、畑良町に帰ることになった。
3人は長きに渡った特殊精製術師資格試験が終わったことを噛み締め、試合会場を振り返る。
「長かったっすね。」
「ああ、長かった。」
「これで私達もフォースに..」
「あんたたち!早く行くわよ!」
視線の先で今井が3人を呼んでいる。
「よし行くか!」
3人は歩き出す。
ここから3人の特別精製自衛隊としての生活が始まるのであった。
資格試験編書き終えました。
次回より「第五支部 動乱編」執筆します。
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