資格試験編60話 〈兆し〉
観客席の関係者たちがゆっくりと目を開けると、そこには崩れ去った羅生門と、その土煙が立ち込めている。
「何という戦いだ..。」
「既に中位以上の力は..」
土煙の間からその場に立つタイガの姿が。
「レントさんは..?」
土煙が収まると、地面に膝をつく白金の姿が、
どうやら無事だったようだ。
「へへっ、危ねぇ」
「身体強化に精製力を回したか、その精製量..おまえ、創造神の加護持ちか?」
「加護?なんのことだ?」
「・・・まぁいい。そろそろ終わらせる。」
タイガは再び帯電すると、瞬間的に白金に近づき掌底を繰り出す。
「お前には負けねぇ!」
白金もその攻撃を黒刀にて防ぎ、タイガの打ち終わりに合わせるように刀を振るう。
目にもとまらぬ速さでの打ち合いを続ける二人、その攻防はお互い一歩も譲ることなく、観客席の関係者もその壮絶な戦いに息をのんだ。
だが次第に防戦一方となっていったのは白金であった。
「っくそ」
白金はタイガの攻撃を何とか防ぎながらも徐々に後退する。
「クラフト:鉄の防壁」
白金は地面から鉄の壁をクラフトすると一度後ろに下がる。
しかし、後退した白金がふと後ろを振り返ると、鉄壁を粉々に粉砕したタイガが腕を振り上げ、白金に迫っていた。
「身体強化が弱まっているな。それがお前の限界だ。」
タイガはそういうと掌底を白金の胸に打ち込む。
「があぁ!」
「・・・!?」
しかし、白金は倒れない。
タイガの掌底は白金の胸に刺さったまま、白金は口から血を流し、それでも倒れこまずに立っている。
そして、白金の体から赤い光が漏れだす。
白金はにやりと笑みを浮かべる。
「...来た!
この感覚、あの時と同じ..」
「お、おお」
観客席の端に座っていた第五支部支部長の黒野は、白金の赤い力を見て、驚いたように、そして少し笑みを浮かべて、立ち上がる。




