潜入水神会編⑦〈閃光〉
烈島は桐崎を追いかける。
そして右腕をだらりと下げながら本堂の前に到着する。
桐崎も烈島を待っていたかの様にこちらを向いている。
「貴様ら!仕事だ。」
桐崎がそういうと、本堂の扉が開き、10人程の人が出てくる。
組員の服装をしている者もいれば、私服を着た者もいる。男女入り混ざった10人である。
全員が一様に体の一部が烈嶋と同じ様にウイルスに侵されている様で、足をひきづっている者、腕を負傷している者がいる。
また、剣や斧、ナイフといった凶器を持っている人もいる。
「なんだこの人らは?」
「こいつらは俺の奴隷だ」
「おまえら、あいつを殺した奴には、薬をくれてやる。ちゃんと働け」
桐崎がそういうと、怪我した人たちは烈島を見て、フーッフーッと荒い息を吐いている。
すると一斉に烈島に襲いかかる。
烈島はなすすべなく後ろに下がりながら、攻撃を避ける。
「おまえ、この人達にウイルスを?」
10人の人達は恐怖で支配されている様だった。
「くそ!どうすれば..爆弾は使えない..」
烈島はおそらく脅されて仕方なく命令に従っているであろう人達に能力を使うわけにはいかず、素手で攻撃をいなしている。
だが、烈島の右腕もほとんど動かなくなっていた。
1人の男がナイフで烈島の背中を切り裂く。
「グハッ」
「くそっ!これなら..クラフト:スモークグレネード」
烈島のクラフトした爆弾が爆発すると辺りに煙が広がる。
「チッ目眩しか」
すると煙から飛び出した烈島がクラフトした小型爆弾を桐崎に向かって投げる。爆弾は桐崎の頭の少し上で爆発する。
ドン!
しかし桐崎は体をかがめ、爆発を回避する。
それをみて、烈島はニヤリと笑う。
「そう避けるわな」
体勢を低くした桐崎の目の前には火花を散らした爆弾がクラフトされている。
「本命の威力は強いぜ!」
爆弾は地響きと砂埃をあげ爆発する。
爆弾は桐崎に直撃したかに思われた..
が、しかし、砂埃の中から桐崎が飛び出し、烈島に迫る。
「なに!?」
(次触れられればまともに戦えない。後ろに下がらないと..)
バックステップをしようとした烈島だったが、後ろを見ると、桐崎の奴隷達が迫っていた。
(やばい囲まれ..)
「これで終わりだ!」
桐崎は烈島にとどめを刺す為接近するが、烈島のあることに気づく..。
(耳栓..?)
そして烈島の背後には爆弾がクルクルと回転している。
「クラフト:スタングレネード!」
キィィーーーーーーン------
頭を刺す様な激しい高音と眩い閃光が周囲を包む。
次回、決着、烈島VS桐崎