資格試験編㊾〈天賦の才と天然の才〉
「聞いたことがあります..。」
するといつの間にか2人の隣に座っていた井上太助が話し始める。
「うえっ!お前いつから..。」
「さっき来ました。お声掛けしたんですが集中していらっしゃったので..。」
「..そう。」
「それで?何を聞いたことがあるの?」
「先代鳴神家棟梁は、彼らの父親の鳴神大門ですが、精製革命後、鳴神大門は弟の鳴神大吾と共に精製術の研究に没頭し理解を深めて行ったのですが、その後、弟 鳴神大吾は兄 鳴神大門との間に確執が生まれ疎遠となったそうです。」
「それがなにか?」
「鳴神大門は雷を使った攻撃技を多く編み出しましたが、弟の鳴神大吾は対照的に万能的な小技を得意としていました。
そして、その技の中でも代表的な技の一つとして〈電磁浮遊〉というものがあったそうです。
電磁浮遊は自分の周囲に電磁波を放出し、地面と反発する磁界を発生させる。
その技を使い、鳴神大吾は空中を浮遊しながら移動していたようです。」
「電磁浮遊...」
また、別の場所で見ていた山神もその技を見てつぶやく。「やはり天才か..」
観客席の端で見ていた鳴神ケンゴはそれを見て拳を握りしめる。
タイガは追い打ちをかけるように空中から岩本に向けて放電を行う。岩本の頭上から広がるように電気が襲いかかる。
既に岩本の逃げ場はない。
岩本は上空を見上げると放電された電気に向かって飛び上がる。
「なっ、あいつ突っ込みやがった!」
岩本は電撃を受けながらも電流の合間を縫うように、放電を突破する。
「いてて」
「いいな〜飛んでる」
そんな呑気なことを言いながらナイフを構えタイガに向かう。
しかしタイガに焦りはなかった。
タイガは空中で移動することができるが、向かってくる岩本は空中で方向転換できない。タイガにとって避けることは容易かった。
空中を蹴るように、そのまま空中を素早く横に移動するタイガ。
そして岩本の方に視線を向ける。
「!?」
素早く空中を移動したはずのタイガに追いつくように、岩本はナイフを振り上げ、タイガのすぐ後ろに来ていたのだ。
タイガは岩本が飛び上がった元の場所に大きな岩がクラフトされていることに気づく、
岩本はタイガ移動した瞬間に足元に大岩をクラフトし足場にしたのだ。
岩本はナイフを思い切り振り下ろす。
不意をつかれたタイガは防御が間に合わず地面に叩きつけられる。
「なんて戦いだ..」
「これが入隊前の新人のレベルか?」
関係者たちも2人の戦いぶりに驚きの声が上がる。




