資格試験編㊽〈孤高の雷〉
フィールドは地面が黒く焦げ煙が立ち込めている。
岩本の姿は無い。
だが、岩本がいた付近には巨大な岩が3つ積み上がっている。
「岩..」
タイガは注意深く構える。
すると、積み上がった岩の奥から、岩本が飛び出してくる。
「ふひひ!」
岩本は勢いよくタイガの近くまで飛び出すと、右手に持ったナイフを振る。
タイガはそのナイフを掌で受ける。
ナイフは掌を切り裂いたかに思われたが、タイガは手に電気を帯電し、刃を通さず受け止めている。
そして、帯電した電気を広く放つ。
「ぎゃっ」
岩本は電気を浴び後ろにのけぞる。
そのまま地面尻もちをつく岩本。
タイガはすかさず手を岩本に向けると雷を放電する。
それを察知した岩本は地面を蹴り上げ、上空に飛び上がる。
岩本は瞬時に岩をクラフトし、勢いよくガラ空きのタイガに向けて撃ち下ろす。
タイガは岩本の素早い攻撃に反応できていないように思われた。
タイガに向かった岩は先程の巨大岩石に比べ、タイガへ接近するスピードも速い。
タイガに直撃するかに思われたその瞬間、
ふっ、とタイガはその場から姿を消す。
気づけば岩本の更に上空をとっている。
「あれは、鳴神ケンゴの..」
観客席の烈島がそう呟く。
その動きは2回戦で鳴神ケンゴが見せた〈稲妻一刀〉に似た動きだった。
タイガは岩本に向けて手のひらから放電をする。
「わっ!」
丸まって防御する岩本だが、放電された電気は岩本の体を焼き、岩本は地面に叩きつけられれる。
「びりびり..いたい」
地面に叩きつけられた岩本の体からは煙が立っている。
「なっ!」
「なんだあれ!」
観客席から複数の声が上がる。
それは空中から放電を行ったタイガがそのまま空中に留まっているからであった。
「浮いてる..。」
烈島と志野川も驚いている。




