資格試験編㊶〈烈島の覚悟〉
ケンゴの電流が烈島の視界より右へ大きく動き、烈島が慌てて目線を動かした瞬間、一気に烈島に電流が向かう。
烈島が懐に入るケンゴの姿を認識した時には既にその一太刀をあびていた。
「一刀...」
「がはっ」
烈島は胴体を前方より斜めに切られ、その場に崩れ落ちる。
倒れ込むかに思われた瞬間、左手でケンゴの刀をガッと掴む
「!?」
「やっと、捕まえた..」
ニヤリと笑う烈島、その体には精製力を纏っており、傷はそこまで深くなく、致命傷には至っていないようだった。
「肉を切らすしかお前を倒す術がないとは情けねぇ」
烈島の右手のグローブには精製力が既に溜められている。
「くらえ!爆裂掌」
そのまま右手を振り抜き大爆発を起こす烈島。
烈島の起こした爆発は天高くまで煙が上がり、観客席まで爆風が吹く。
「これは..」
観客席もざわついている。
烈島の手に手応えはあった。だが油断ならぬ相手であるため、爆煙の向こう側を注意深く見る。
「!?」
爆煙が晴れるとその向こうには無傷のケンゴの姿があった。
「なぜ..」
「惜しかったな。鳴神家の型には、〈界雷の斬昇〉という相手の技を上空へ受け流す防御の型があるんだ。」
そして刀を烈島の首に押し付ける。
「悪いが僕の勝ちだ。降参しろ。僕はこの試合で兄、鳴神タイガを倒す!」
「降参だと..?ふざけんなよ..俺は次の試合に進まないといけないんだよ!」
「動くな!!動けばその首を落とす!」
「ここは負けられねぇ!!」
ケンゴは刀に少しずつ力を入れる。
烈島の首から血が滴り始める。
「ユウ!!」
烈島の目線の先の退場口には白金の姿がある。
「もうやめろ、お前はよく戦った」
白金の言葉を聞いて烈島は俯く。
「降参だ..」
「試合終了!勝者 鳴神ケンゴさん!」
「くそう!」
地面をたたいて悔しがる烈島、そして退場口の白金の元へ向かう。
「レントさん、俺この選抜戦で戦ってレントさんに強くなったところ見てもらいたかったんです。でもまだまだでした!」
「ああ、そうだな。」
白金は烈島の言葉をあえて否定しなかった。烈島にとって悪いことではないとおもったからである。
「挑戦はまたの機会にさせてもらいます。」
「おう、お互いもっと強くなろうな!」
「はい!」
烈島は今日の悔しさをバネにさらに強くなることを決意した。




