資格試験編㊴〈最強の弟〉
「精製物の撤去作業に時間がかかりますので、Cブロック二回戦の前にインターバルを挟みます。」
会場にアナウンスが流れる。
志野川は控え室に戻ろうとする。そこに白金がやってくる。
「よぉ、負けちったな。」
「ええ、なにもできなかった。
でも私この試験を通じて強くなれたと思うの。」
「ああ、チアヤもユウもめちゃくちゃ強くなった!」
「私はもっと特訓して強くなる!
あんたにも負けないからね!」
「おう、俺も負けねーよ!」
そうして2人は拳を合わせる。志野川は負けてしまったがその瞬間、一番の笑顔を見せた。
少し時間が経ち
「Cブロック二回戦を開始します。
鳴神ケンゴさん、烈島ユウさんは入場してください。」
ケンゴと烈島が入場する。
鳴神ケンゴも関係者の中で名前が通る人物であり、烈島も前試合で疾風のフウキを下したことから観客席の関係者たちもこの試合に注目している。
「それではCブロック二回戦 試合開始!」
最初に飛び出したのは烈島だった。
烈島は足をクラフトで強化し、ケンゴに向かいつつ、ボウムグローブをはめる。
そして、そのまま素早くコンパクトな動きでボウムグローブをケンゴに向かって振る。
(一回戦で見た技より無駄が少ない。)
烈島のグローブはクラフトされた火薬によって爆発が起きるが、溜めが少ない分、その威力も小さめである。
ケンゴは抜いた腰の刀でガードするが、爆発に押され、少し後ろに飛ばされる。
「うん、接近戦なら小規模爆発の方が使い勝手がいいな。」
「なるほど、爆発の規模を使い分けているのか。」
ケンゴは刀を烈島に向け、刀に電流をクラフトし、帯電させる。
「クラフト:雷電 雷鳴の剣」
静かで微動だにしない構えから一転、一気に距離を詰めるケンゴ、
「うおっ!」
一瞬で前に現れたかの様な速さに驚く烈島、ケンゴはそのまま帯電した刀を烈島に振る。
烈島はその刀をグローブで受け止める。
「へへ、さすがは大作先生、注文通りの硬度だぜ。」
烈島のグローブは刃も通さない硬度をしていた。
しかしケンゴは冷静に左右より、素早く、手数の多い連撃を繰り出す。
烈島は避けたり、グローブでガードしたりしていたが、捌き切ることはできず、防御しながら、肩や脇腹などから出血をしだす。
「っく、早え」
ぱっと烈島がケンゴの方を見ると、目の前にケンゴはおらず、気づけば背後を取られていた。
「なんだと..」
ケンゴは烈島に向かって刀を振るう。
何とかグローブでガードする烈島だが、威力を殺しきれずそのまま吹き飛ばされる。
見た目以上に傷が深くダメージが多いようで、烈島はそのまま膝をつく。
「へっさすがは最強の弟といったところか、」
「最強の弟?君は何を言っているんだ?僕こそ鳴神家の正統後継者だ。」
「は?」
「兄は鳴神家の長男でありながら、術の伝授を受けていないならず者だ。」




