資格試験編㊳〈もう1人の逸材〉
志野川は岩本の目の前まで距離を積めると手に持ったナイフを振る。
「ひひひ」
またもや予想外の体勢で避ける岩本。
志野川の連続の攻撃を避け続ける岩本
(速さとかの問題じゃない。反射神経や反応速度が人間離れしている。)
岩本は志野川の攻撃を避けながら手を上に上げる。
「落石注意〜っ!」
すると2人の上空より広範囲に直径20cm程の無数の岩の塊が落ちてくる。
志野川は上から落ちてく岩を避けるため攻撃の手を止める。
大量に落ちてくる岩が地面に着弾し大きな音を立て始める。
志野川はその岩を避けたり、ナイフで弾いたりしたが、一つの岩が志野川の肩にあたる。
「がっ!」
大きくバランスを崩す志野川、それでも避けようと試みるが徐々に岩に直撃して行く志野川
岩が無くなった頃には志野川は無数の岩と共に地面に倒れていた。
「ぐっ、まだ..」
立ちあがろうと床に手をつき、岩本の方を見る。
「がんば!がんば!」
そこには無傷の岩本がはしゃいでいる。
「あの数の岩を全て避けたというの..?」
「行くよ!チアヤちゃん!」
岩本がそういうと両手を上に上げる。
岩本の頭上には岩石がクラフトされるが、その岩石は徐々に大きくなっていく
そのとてつもない大きさに観客席の関係者達も驚いている。
「なんという精製量..」
「彼女もまた逸材か..?」
志野川はその岩をどう避けるか、周りを見渡し考えるが、その大きさ故に避ける先の場所すら見当たらなくなり、ただそれを見上げるしかなかった。
志野川はまだ大きくなっていく岩を見ながら唇を噛み締める。
「参ったわ、降参よ。」
勝ち筋がないと悟った志野川は降参を宣言する。
「試合終了!!岩本ヒナリさんの勝利!」
すぐにアナウンスがされ、岩本はその巨大な岩をフィールドの端にポイっと投げ、着地と同時に大きな揺れが起こる。
志野川は悔しそうに俯き地面を見つめる。
そんな志野川に岩本は近づき、フランクに話しかける。
「お疲れ様!チアヤちゃん!」
「手も足も出なかったわ。強いわね、岩本さん」
「ヒナリでいいよぉ〜」
「ええ、ヒナリちゃん」
志野川は退場口で振り返り、試合場を見る。
一息、ふぅとため息を吐くと、退場していった。




