資格試験編㊱〈精製術の逸材〉
「Aブロック二回戦、鳴神タイガさん、逸見クレドさん入場してください。」
2人が出場してくる。
白金は控え室のモニターでその様子を見る。
「鳴神タイガ..」
白金は自分の目的を知っていたタイガを見て拳を握りしめる。
「それでは、Aブロック二回戦 試合開始!」
試合開始の合図と同時に逸見が動く。
「フォームクラフト:重装機械兵」
逸見は開始早々、自身が使える最も強力なフォームクラフトを行う。
「おお..」
観客席からも声が上がっている。
「こいつには最初から本気で行かねーとやべーからな。」
大きな機械兵の姿となった逸見は、足についたターボを噴出し、タイガに勢いよく突撃する。
「悪いが勝たせてもらうぜ!」
逸見は腕を振り上げ、振り下ろす。
タイガは足に精製力を纏い、後ろにバックステップし避ける。
逸見が振り下ろした拳は床を大きく陥没させる。
「なんて威力だ..」
逸見が顔を上げるとタイガはこちらに手を向けている。
「クラフト:落雷」
すると、逸見の上から激しい落雷が逸見に向かって落ちる。
「があぁぁぉ」
機体より白い煙を上げる逸見。
「かみなり..?
っつ、あぶねぇ、このフォームじゃなきゃ丸焦げだ。」
「まだ動くか。」
タイガは足に精製力を纏い、逸見に向かって飛び上がる。
「雷爪・・」
タイガは手に電気を纏い、逸見の機体の脇腹辺りの装甲を破壊し、手を突っ込む。
そして、コードの様なものを掴み引っ張り出すとプチプチと引き抜いていく、
「なっ!?くそ、体が動かねぇ、電気配線をやられたか?」
逸見は身動きが取れない様子だ。
「これで終わりだ。」
タイガは逸見から大きく距離を取ると、逸見に向かって手を向ける。
タイガの手や体からバチバチと電流が音を立てる。
「あいつ、何をするつもりだ..」
タイガの纒う空気が変わったことを察した白金はその動きに注目する。
「クラフト:雷電 万雷殄滅」
タイガがそう呟くと、タイガの手から前方に向けて激しい雷がクラフトされる。
闘技場全てを埋め尽くすほどの雷と、激しい閃光がその場にいる全ての者の視界を真っ白にする。
激しい音と地響きが鳴り、ようやく視界を取り戻すと、そこには激しく吹き飛ばされたであろう逸見が壁に叩きつけられている。
重装機兵の機体は所々崩れ落ち、肩のあたりが外れ、そこから意識なくうなだれる逸見が見えている。
「試合終了!勝者鳴神タイガさん!」
審判も少し焦った様子で勝者をアナウンスする。
タイガはそのアナウンスを聞く前に退場口に向かって歩き、そして消えていった。
逸見は担架で運ばれていく。
観客席ではタイガの強さとその技の威力から、ざわつきが絶えなかった。
「あれが鳴神タイガ...」
「鳴神家始まって以来の逸材..」
控え室の白金も試合をモニターで観戦し驚く。
「強え..」
そして、別の控え室にいた鳴上ケンゴはその様子をモニターで見ながら、唇を噛み締めるのであった。




