資格試験編㉝〈疾風のフウキの本気〉
観客席の関係者も噂のフウキが開始後より手も足も出ない状態が続いていることにざわつきを見せる。
「甘く見ていた。楽をして勝てるほど甘い相手ではなかったってことだ」
「?」
「ここからは本気で行くよ?」
「本気じゃなかったってか?」
「どうだろうね。」
「クラフト:帯気流」
フウキ手足の周りに風が纏われ始める。
そしてフウキが専用武器の〈風切星〉を取り出すと、それらをフウキの手足を纏っている風と共にフウキの手足の周りを浮遊し、キラキラと光を反射させている。
「いくよ。」
フウキは風に乗る様に浮遊しながら烈島との距離を一気に詰める。
「くっ」
そして拳を振り上げ、烈島に振るう。
烈島はその速さに不意を取られつつ、拳をガードする。
すると烈島は突風を受けたかの様に後ろに大きく飛ばされコンテナに激突する。
「がはっ!」
烈島が防御した腕は、フウキが拳に纏う風切星によって、ズタズタに傷つけられている。
しかし、そこに間髪入れず、フウキが向かってくる。その勢いのまま空気を纏った足で蹴りを入れるフウキ。
「あっぶ」
何とか避けた烈島、フウキの蹴りは後ろにあったコンテナに当たり、コンテナは大きく吹き飛ぶ。
距離を取った烈島は爆弾を投げるが、フウキの素早い動きで避けていく。
「君の能力は火力こそ申し分ないが、その爆弾という性質から、自分近くでは高火力を使うことができず、遠距離では機動性が足りない。
突風と乱気流への対策は見事だが、そのレベルなら僕には到底敵わないよ!」
そういうと、フウキは烈島は一気に近づき、蹴りを浴びせる。
「ぐあぁぁ!」
フウキの足に纏われた風切星が烈島の腹を切り裂く。烈島はそのまま後ろに吹き飛ばされ倒れる。
「終わりかな?」
烈島は出血しながらもゆっくりと立ち上がる。
烈島の目はまだ光を失ってはいない。
「近距離も、長距離戦闘もパッとしないなんてのは俺が一番わかってんだよ
だから前々から試してたんだ」
烈島は手の甲を見せながらフウキに向かって歩く。
「なんだ..?」
烈島の右手には火傷の跡の様な傷がある。
「いつからかついてたあの火傷跡..」
白金も気づいていた烈島の手の傷
「この試合の先にはレントさんがいるんだ..。
お前にはまだ早い。
悪いがこの試合はどうしても勝たせてもらう。」
そういうと、烈島は革手袋の様なものを取り出し傷のある右手にはめると、精製力を溜める。




