資格試験編㉚〈志野川と橘アイ、女の戦い〉
「続いてBブロック第一回戦を行います。
志野川チアヤさん、橘アイさん入場してください。
志野川とアイが入場してくる。
「あんたには負けないわよ。」
「あなたもしつこいわね。」
志野川を睨みつけるアイ
「来たぜ、チアヤの番だ。」
「頑張ってください志野川さん!」
「それではBブロック一回戦を始めます。
試合開始!」
志野川は開始と同時にアイに向かって距離を詰める。
(この人の戦い方はユウから聞いてる。接近戦なら私に分がある。)
ナイフを両手にクラフトし、足に精製力を纏い一気に移動する。
「早いな..」「早い」
観客席からもそういった声が上がる。
「接近戦なら私に勝てると思った?」
アイの目の前まで来た志野川だったが、そこでぴたりと動きが止まる。
「なんだ?チアヤのやつどうしたんだ?」
「わかりません!」
志野川は足に糸の様なものが巻き付いていることに気づく。
「これは..」
「それは弓弦よ。」
そういうと手に持っていた弓を離すと、違う形の弓をクラフトする。
その弓は真ん中の持ち手の両側に刃のついた大きな弓であった。
「クラフト:刀斬弓」
弓をくるくると回転させ、身動きの取れない志野川に切りつける。
志野川はナイフで防御するが後ろに倒れそうになり、手をつく。
すぐに弓弦をナイフで切り、バックステップで後ろに下がる。
それを畳み掛ける様にアイは矢をクラフトし、3本の矢を志野川に向けて放つ。
その腕には精製力を纏っている。
「っく!」
なんとか避ける志野川
「どんな娘かと思えば、大したことないわね!」
矢を次々に放っていくアイ
志野川は左右に素早く動き、アイの攻撃をかわしながら再び距離を詰める。
しかしまたもや地面からクラフトされた弓弦に足を止められる。
「今度は避けられないわよ!」
アイは5本の矢を至近距離で放つ
志野川はナイフで正面3本の矢をはじくが、その両側にある2本の矢を弾くことができず、矢は志野川の両肩を抉る。
「ふふふ、やっぱり大したことないじゃない。フウキさんの助言を聞く必要もなかったわ。
貴方はスピード任せで攻撃が単調なのよ。」
両肩から血を流しながら、俯いている志野川
「あなた、フウキに認められたいのね?」
「・・は?何いってんのよあんた!!」
アイは怒った様子で志野川に矢を放つ。
矢を避け、またもや接近戦に挑む志野川、
アイも刀斬弓で迎え撃つ。
お互いに刃を押し付け合う両者
「だから、フウキが認める発言をした私を認めたくない。そうでしょ?」
「あんたなんかに何がわかるのよ!!」
激しく刃をぶつけ合う。
「わかるわ」
「!?」
「私も同じだから」
「何が!」
「私も、一緒の道を歩いてきたはずなのに、気づけばいつも遅れてた、追いつきたいけど、認められないことが悔しくて、興味のないふりをした。」
志野川はナイフを振りながらアイに伝える様に語り始める。
「それでも追いつこうと影で特訓しても、いつも私は助けられてばかり
この間も、敵だったはずの相手に命を救われ、結局あいつらに任せてしまった。」
2人は斬り合っていたが、志野川のナイフとリーチのある刀斬弓では相性が悪く、志野川の体に傷が増えていく。
お互いの刃が交わり、両者がはじけとぶ。
「だけど..私は貴方とは違う。
そんな自分だけど周りと比べたりはしない
少しでも隣を歩いていける様に、前を向く!」
そう言いながら、志野川は銃の様な武器を取り出す。
「なんだ、あれは。」
黙って志野川の戦いを見ていた白金も呟く
その武器は拳銃の様な形をしているが、拳銃より太く、歪な形をしている。
銃口部分には何かを装填するかの様な金具がついている。
(専用武器...?)
対峙するアイも警戒し身構える。




