資格試験編㉗〈一般受験者 岩本ヒナリ〉
場面は変わり、白金は闘技場の観客席で足を投げ出し不貞腐れて座っている。
「ちっシードはつまんねーな。」
「レントくんだよねぇ?」
白金が声の方向を見るとニンマリ顔の女がこっちを見ている。
「だれだおまえ?」
「えへー?ヒナリのこと知らないー?」
「ヒナリ?岩本ヒナリか?」
「そやそや、うちがヒナリなんね!あはは、よろしくねぇ」
「お..おう」
「レント君の鉄はかっこいいねー」
「お前のクラフトは?」
「ヒナリはねぇ、岩を落とすよー」
「あ、そう..」
引き気味で岩本を見る白金。
「あはは、ヒナリはね、頑張ってタイガ君倒しちゃうからね。そしたらレント君と戦うからねー」
「その前に俺の仲間がお前と戦うからな。俺の仲間はなかなかてごわいぜ?」
「んーと。ああ!チアヤちゃんねー!ヒナリ楽しみ!」
岩本はそう言うとくるっと後ろを向き、どこかへ走っていく。
「じゃあまたねーん!レントくん!」
「変なやつ...」
そんな話をしていると場内のアナウンスが流れる。
「まもなく、第20期特殊精製術師資格試験の選抜戦を始めますので関係者の皆さんはご着席ください。」
「それでは、Aブロック一回戦 逸見クレドさん、橘メイさん入場してください。」
闘技場内に逸見とメイが入る。
「ちっ女が相手か」
「女だからって甘く見ないことね。」
そう言いながら2人は戦闘体制に入り、構える。
「それではAブロック一回戦を始めます。
代表戦..開始!!」
合図と共にメイが動き出す。
ポケットから煙幕玉を取り出し、地面に叩きつける。2人の周りには白い煙が立ち込める。
ちなみに第一や第二試験同様、持ち込める武器は専用武器が一つまで、運営が用意する補助武器の中から2つまで持ち込むことができる。
この煙幕玉も補助武器の一つであった。
「ゴホッゴホッ」
煙の中から咳払いをする音が聞こえてくる。
次第に煙は晴れていき、煙の中からは逸見の姿しか出てこず、メイの姿は消えていた。
「なるほどそのための煙か..
クラフト:騎士フォーム!」
逸見は第一試験で白金との戦いの際に見せた騎士の姿になる。
逸見は姿を見失ったメイを探し周りを見渡す。
すると、突然視覚から矢が勢いよく飛んでくる。
「ちぃっ」
咄嗟に盾で防ぐ逸見
「そこか!」
矢が飛んできた方向めがけ走り出す逸見。
しかし、今度はまた違う方向より矢が飛んでくる。
「なっ!」
なんとか避ける逸見。
「どうなってやがる..」




