資格試験編㉑〈疾風のフウキの力〉
志野川はメイに勝利し、現れた敵に対峙している。
「あなたは...第四支部、疾風のフウキ」
「あはは、その呼ばれ方はそんなに好きじゃないんだけどね。」
それは試験前に井上が言っていた男であった。
穏やかな顔をした黒髪で細めの男。
「うちの支部長は他の推薦者に負けるとうるさくてね..腕章もらうよ」
フウキは手を構える。
志野川はその威圧感に構える。
(この人..強い)
「クラフト:突風」
強烈な風が吹き始め、志野川を襲う。
志野川はの体は強い突風に体が浮き、後ろの木に叩きつけられる。
「がはっ」
「風をクラフトした..?」
「いや..僕がクラフトしたのは空気中の水蒸気やその温度さ、空気中の温度をクラフトで操作することで気圧差を作り出し、風を操れる。」
「くっ」
志野川は木の後ろに隠れ、風に飛ばされないよう木に捕まっている。
「木に隠れても無駄だよ。クラフト:乱気流」
周辺の風が乱れ始め、四方八方から風が流れ込んでくる。
志野川は気に捕まり風を凌ぐが、乱れる風に耐えきれず木から剥がされ地面に倒れ込む。
「さぁ、腕章をもらうよ。」
フウキは志野川の前に歩き手を構える。
「クラフト:突風」
「あなたは強い..けど、隙がないわけじゃない!」
志野川は足に精製力を纏い、一瞬でフウキに詰め寄る。
(早い!)
「クラフトから風の発生まで少し時間がかかるようね。」
志野川はフウキのクラフトから突風が起こるまでの少しのタイムラグがあることを見抜いていた。
志野川はそのままクラフトしたナイフでフウキに切り付ける。
ナイフはフウキの腕を切りつけた。
だが、フウキの腕には少しの傷しかついていない。
「!?」
フウキの腕には精製力が纏われていた。
「活性力による防御..」
「ふぅ、危ない危ない。君早いね。
メイとの戦いを見てなかったら間に合わなかったよ。」
フウキはバックステップで志野川と距離を取ると突風を放つ。
志野川は背後の木を支えになんとか持ちこたえている。
「ふっしぶといね...
これはどうかな、カマイタチ!」
フウキがそういうと志野川が風を防いでいる両腕に切り傷が入る。
「なっ?!」
切られた腕から流れる血が風によって飛び散る。
(斬撃する風なんて、どうやって?)
「ふふふ」
フウキはその後もカマイタチで志野川を切り裂いていく。
志野川は風の中に紛れた鋭利な異物の正体に気づく、
「これは、小型の刃物?」
「カマイタチの正体には気付いたようだね。
これは僕の専用武器でね。風切星というんだ」
フウキが見せる。ケースの様なものには、小さな手裏剣の様な刃物がいくつも入っている。
「君は早いけどそれだけだね。速さだけじゃ僕は倒せない。」
志野川は地面に膝をつく。
「暖かい空気は温度の低い方へ流れ込む..」
志野川はそう呟くと、フウキに背を向け後ろを向く
「....?」
「持っといてよかったわ。」
志野川は配布の小型武器の中に入っていた演習用の手投げ爆弾を後ろに向かって投げ、爆発させる。爆発の熱風がフウキの風と逆流する形で吹き、フウキの突風は威力を弱める。
「っく!そんな荒技で!」
「知り合いの爆弾オタクの真似事よ」
素早く距離を詰めた志野川がナイフを振るが、またもや、精製力を纏った腕でガードされる。しかし志野川の狙いは身体強化を前面に集中させることだった。瞬時に後ろに回るとその背中を切り裂く。
「ぐは!」
「くそ!乱気流!」
フウキの周りの空気が乱れはじめる。
志野川は距離を置き回避する。
「なるほど、甘く見ていると足元をすくわれそうだ。」
一刀を浴びたフウキだったが余裕の顔を見せる。
「終わりにしよう。」
クラフト:トルネード!!」
周辺の風が渦を巻き始め、大きな竜巻が起こる。その竜巻はゆっくりと志野川に向かって進む。
その威力は強大で、周辺の木々は根本から折れ、巻き込まれていく。
周辺の空気を引き寄せる様に進む竜巻の影響で、志野川は引き摺り込まれない様に木にしがみつくので精一杯で身動きが取れない。
「っく、この規模じゃ、爆風でも無理ね..」
志野川は万策が尽き、この技に対しての対処法が見つからなかった。
もうじき竜巻は志野川を巻き込むと思われたその時、
「第一の試験終了!!」
場内の放送にて、試験の終了が知らされる。
それを聞いたフウキは竜巻を消滅させる。
志野川は地面の膝をつき、溜息をつく。
「ひとまず引き分けということにしとくよ。
またね。」
そういうと涼しい顔をしてフウキは去っていく。
(あのまま戦っていたら負けていたわね。)
第一の試験が終わり、ポイントは以下の様になっていた。
【第一試験 結果】
第一位 鳴神タイガ 12pt (第一支部)
第二位 鳴神ケンゴ 10pt (第一支部)
第三位 白金レント 8pt (第二支部)
第三位 霧島フウキ 8pt (第四支部)
第三位 岩本ヒナリ 8pt (一般受験)
第四位 烈島ユウ 7pt (第二支部)
第五位 橘アイ 6pt (第四支部)
第五位 逸見クレド 6pt (第三支部)
第六位 志野川チアヤ5pt (第二支部)
第七位 橘メイ 4pt (第四支部)
第七位 飯政ヨシナリ4pt (第三支部)
第七位 野田カムラ 4pt (第五支部)




