資格試験編④〈今井VS大槌の男〉
教室内は非常ベルとガラスが割れる音にざわつく。
すると今井が突然立ち上がると鞄から上着を取り出し廊下へ出ようとする。
それを見た担任の吉田が言う
「今井さんちょっとどこへいくの?」
教室の後ろで今井は立ち止まりフォースの隊服を羽織る。
「吉田先生、私はとある任務でこの学校へ潜入していたフォース隊員です。このようなお伝えとなってしまって申し訳ありませんが、緊急事態の為、私は行きます。ご迷惑おかけしすみません。」
そういうと、一度先生に敬礼をする。
「レント、ユウ、チアヤちゃん、わかってるわね?」
そういって目配せすると、教室から出ていった。
吉田先生は口をぱくぱくさせながら呆然としている。そして内心焦りながらも、冷静を装い生徒へ避難を促す。
今井は教室を出ると、廊下を走る。
先程の警笛は下の階から聞こえたため、今井は階段に向かう。
階段近くまでくると階下から何者かが上がってくる気配を感じ、階段を見ると、巨体の男が大槌を持ちふーっふーっと荒い息をしながら上がってくる。
「1年のクラスは3階だったなぁ?」
今井はその男を見て、間違いなく烈島が昨日遭遇した男であると確信した。
そしてこの男の狙いが、1年生の白金、烈島、志野川の3人であることもわかっている。
幸いこの階段は、1年生の教室とは反対側にあり、この時間は使用していない図書室などがあるだけであった。
今井の後方、同じ階のさらに奥では、1年生達が避難を開始している。
「ここを通すわけには行かない。」
「何だぁおまえ?邪魔」
男はそういうと、持ってる大槌を今井に向かって振り抜く。
今井はバックステップしてよける。
大槌はコンクリートの壁を大きく抉り取りながら男の周りを一周する。
今井はそのまま後ろの図書室まで下がる。
図書室には誰もいない様子で安心する今井。
大槌男も今井を追って図書室に入る。
「下にいた他の警備はどうした。」
「けいびー?あぁいたなーそんなやつら」
今日、学校の校舎内には警備として中位隊員が今井を含め3人入っていた。
通常、通報による警備任務の場合、中位隊員が配備されることはほとんどなく、下位隊員が対応する。
フォースの隊員数として、そのほとんどが下位隊員であり、中位、上位の数は大きく減少する。突出した力や実績がなければなれないのだ
。
今回の警備は中位隊員である今井からの応援要請かつ、水神会が絡んでいる可能性があるとして、中位隊員が今井の他2名校内の警備にあたっていた。
この男が3階に上がってきており、それを追う隊員がいないということは、おそらく中位隊員2名を戦闘不能にした後、ここまで上がってきたのだろう。だとすれば、かなりの強敵であることを今井は感じていた。




