資格試験編③〈不審な大男〉
数日後、烈島は登校のため学校に向かって歩く。今朝、フォースより連絡があり、2日後の木曜日の放課後、白金、志野川と共に第二支部へ呼ばれている。
先日、身体強化の会得の話を今井から聞いていた烈島は楽しみで、早く2日後にならないかと考えていた。
すると、烈島は上空より落ちてくる物体の存在に気づく、
「うおっ」
それは烈島の後ろに落ち、大きな着地音と土煙が舞う。
「なんだ?」
上空より落ちてきたのは大男であった。
筋肉質な体と、鋭い目つきで烈島を睨む。
「おい、そこのおまえ...えーっと」
巨大な男はゴソゴソとポケットを探り、小さな紙を取り出す。
シライ・レツノ・シノダ・・・という生徒を知らないか?」
烈島はその名前を聞いて驚く。
その名前は水神会の潜入の際に使用した3人の偽名だったからだ。
明らかに関係者である。
この男の目的はわからないが、その男は苛立っている様子で、その雰囲気から3人にとって悪いことであることは想像できた。
だが幸い、名前のみで顔はわかっていないようだった。
「知らないな..」
「そうか、」
そしてその男はまたもや懐のポケットから何かを取り出す。
「1枚だけ写真がある。これだ」
烈島はそれを見て驚く、水神会潜入時の白金の写真だ。
それを見た烈島は拳を握りしめる。
「どうした?知っているか?」
烈島は焦りと怒りの気持ちを押し殺し、冷静に考える。なぜなら今、烈島は戦闘はできない。
そして、尊敬する白金にとって最良の選択は何か考えていた。
「いや、見たことあるかと思ったが、別人だった。知らないな。」
「そうか、わかった。」
そのままその男はその場を去っていった。
烈島はその男が振り返ることなく歩いていくのを見送ると、急いで学校に向かって走った。
「何が起きてる..」
学校に着いた校門近くにいる白金、志野川、今井を見つける。
「どうしたんだ?あいつ」
神妙な顔で走り迫る烈島をみて白金は言う。
「おはようございます。レントさん。道中何もなかったですか?」
「おう、どうかしたか?」
「とりあえずこちらに」
烈島はあの大男が学校周辺に探しに来ている可能性もあると考え、校舎内に3人を誘導する。
そして、3人に大男に探されていること、白金の写真を持っていることを話す。
「なるほど、わかったわ。
私は支部に相談するからあなた達は学校から出ないこと、特にレント、良いわね?」
「はいー」
そうしてその日はいつも通り過ごしたが、特に何事も起きることはなかった。
そして翌日、いつも通り登校する。
「おはようございます。今日も何事もなかったですか?」
「ああ、なんも、もう捕まったんじゃねーの?」
「いやきっとまだ捕まってないわよ。ほら見て」
志野川が指を指す先には、フォースの隊員と思われる白い上着を着た人物が校門を見張っている。
「来る途中にも何人か学校の周りにいたわ。」
す校舎の方から今井が声をかける。
「おーい!あんたら早く入んなさい!いつまでそこにいんのよ!」
「・・・あいつ、だんだんオカンみたいになってきたな。」
この日はフォースの第二支部が学校側と連携をとり、複数人のフォース隊員によって学校周り及び、校舎内にも警備体制が敷かれていた。
担任からも、ここ数日不審者が目撃されているためと、警備についての知らせがあった。
ちなみに、今井は学校側にも内密の潜入任務であるため警戒しながらも通常通り授業に出席している。
そして、午前中の授業が終わり、残すは午後1時間のみとなった。
今日と変わらない1日が過ぎると思っていた。
そんな時、
ガシャーンと、大きな衝撃音とガラスの割れる音、そして、非常ベルの音が聞こえる。
何か異常事態が起こったようであった。




