潜入水神会編⑱〈初代会長からの伝言〉
「こいつは..何を言ってるんだ..?なぁ角田」
「・・・・・」
角田は俯き地面を睨む。
「おい何とかいえ!角田!」
「桐崎、あの時...事務所に到着した時、俺らは宮田組の奴らとすぐに戦闘になったが、その時二代目はどこにいたんだ?
車を降りた後、一緒に戦った記憶がないんだ」
「おい..角田お前、若を疑うのか?」
「それからすぐに事務所に火があがった。
すぐに建物全体を包む程の大きな火だった。」
その後、宮田組の奴らの抵抗も終わり、しばらくして、ニ代目のクラフトで火は消されたが、二代目の力があればもっと早くに火事を消せたのではないか?」
「くそ!..俺は信じないぞ..ウィスタリア!仮にその話が本当だとしたら、なぜあの場にいなかったお前がそんなことを知っている?」
「私もあの場に行ったのよ」
「なに?」
「私は宮田組の出撃を知った時、離れた場所にいたから、私がついた頃には火も消され、会長もすでに運ばれた後だった、
そこに残されていたのよ、建物内の生存者が」
「なに?あの場にいた生存者は建物外で待機していた数名だけだったはずだ、建物は全焼だった。」
「生き残っていたのよ。当時会長の秘書をしていた吉野という子。燃え盛る建物の中、一か八か3階から飛び降りたそうよ。」
「そんなはずは..」
「あなたたちがいなくなった後、現場にいた消防隊が建物裏に倒れている彼女を発見していたわ。
そして、私は彼女の回復後、病院で彼女の話を聞いた。
会長は全てわかっていた。宮田組と会長の息子がつながっていたこと。そして会長から私への伝言があった。」
「伝言?」
「ええ」
-初代会長よりウィスタリアへの伝言-
ウィスタリアよ、私は恐らく先に逝くこととなるだろう。全ては我が息子の仕組んだこと。彼は心の奥に狂気を飼っている。
それに気づいていながら、私は結局何もしてやれなんだ。
ウィスタリアよお前に頼みがある。水神会はこれから我が息子が二代目となるだろう。
角田や桐崎も息子のことを慕っている。
息子が二代目となれば水神会はきっと巨悪化する。
だが、息子の行うことに反発をするでない。お前の身を案じてのことだ。
そして最後に頼みがある。水神会には心優しき者達や、女性・子供もいる。お前にはその者達を守る役目を引き受け、組織の受け皿となってほしい。
おまえには助けられてばかりだが、お前にしか頼めない。水神会を宜しく頼む。




