潜入水神会編篇⑰〈真実〉
「おうてめーら、いいところに来た、こいつを今すぐ殺せ」
地下室内の異常な状況に少し驚いた表情をした2人であったがすぐに白金を睨み、身構えた。
「てめーは困った時だけ部下に頼るのか?」
「俺の手駒に何を指示しようと俺の自由だ」
白金は汗を一筋流す。
水時は満身創痍の状態だが、まだ精製力を残している。それに加え、幹部2人を相手にするのは分が悪いと考えていた。
(くそっ、だがやるしかねぇ。)
「もうおやめなさい、あなた達。」
その時、壊れた出入口からウィスタリアと志野川が入ってくる。
「レント!」
志野川が心配そうに白金に声をかける
「藤樹縛」
角田と桐崎の足元から藤の蔦が伸び、2人を拘束する。
「なんだ!?くそ、動けない」
「何をする。ウィスタリア!離せぇ!!」
いつもは静かな桐崎が声を荒げる。
「んふ、まあ落ち着きなさいあなたたち。
角田、桐崎、あなたたちは初代水時会長の死の真相を知っているのかしら?
「死の真相?」「何を言ってる。」
あなた達、特に桐崎はそこの二代目水時に恩義がある様ね。」
「当然だ、若とは研究所で共に苦しみを味わった。そして研究所から俺たちを救い出してくれたのは、今は亡き、若の父君であられる会長だ。俺は水時会長が残したこの水神会と若のために命を賭けている」
「・・・その会長を殺したのがそこの二代目水時だとしても?」
「!?」
「何を言ってる..?」
角田と桐崎は驚きの表情を見せる。
だが、角田がすぐに落ち着きを取り戻したように話し始める。
「会長は当時敵対していた宮田組のカチコミの時、宮田組のやつの放火によって建物から逃げられなくなったんだぞ?私達が救出に向かった時、二代目も一緒にいたがね?」
「その通り、けどその宮田組の若頭と二代目水時は繋がっていた。二代目水時からの情報で会長は幹部がいない隙を狙われたのよ。」
「馬鹿なことをいうな!あの時起きた火災で宮田組の若頭も死んでるんだ。会長がはめられたのであれば、裏で動いていた宮田組の若頭が死ぬはずがない!」
「言っててわからないの?
宮田組の若頭も口止めのために殺されたのよ。
あくまで宮田組が聞いていたのは水時会長が1人になる時間だけよ。
そしてあの火災は水時が放ったもの。
会長殺害の罪を宮田組に負わせ、そしてそのことを知っている若頭もいなくなる。
そうすれば事実を知るものは誰もいなくなるわ」




