潜入水神会編⑬〈水時の過去〉
水時は吹き飛ばされ、片膝をつく白金に問いかける。
「おい、おまえは潜入したフォースの隊員か?」
白金はゆっくり立ち上がり、土埃をはらう。
「いまはまだフォースじゃねえが、おれはいずれフォースの6柱になる男だ」
「くく..はははは
...笑わせてくれる。それなら教えてやる。
フォースに憧れるお前に」
そういうと、両腕の服の袖を破る。
すると水時の腕には魚類や爬虫類のような鱗が生えている。
「これは俺が幼少の頃、国の研究機関によって行われた人体実験の名残りだ、
あいつらは俺や桐崎、その他多くの身寄りのない少年を集め、人体に対する精製術の実験していた。
あいつらは研究のためなら、子供だろうと女だろうと容赦しない。
そして、その研究所にはフォースのお偉いさん方もよく出入りしていた。
お前がなろうとしているフォースっていう組織はそういう組織だ」
白金はその話を聞き俯いているかに思われたが、手を水時に向ける。
「クラフト:鉄槌」
大きなハンマーを2つクラフトする。
クラフトされた鉄の槌は水時に向かって回転しながら飛んでいく。
水時は咄嗟に両腕で2つの大型の槌を弾く。
「っち、あぶねぇなぁ」
「勘違いしてるようだから言っとくが、俺はフォースに憧れてなんてねぇ、俺は俺の目的のためフォースを利用してやるだけだ、
それにフォースに黒い部分があるのかないのかは知らないが、俺が知ってるフォースはそんな組織じゃないように思うぞ?」
それに、お前の過去に同情すると思ったら大間違いだぞ?お前みたいな糞は俺が倒す。」
白金は足元に落ちていた刀を拾い、水時に向かって突撃する。
白金の刀と水時の拳が交わり、音を立てる。
ガギッ!ガッ!
「同情?国だろうがフォースだろうが俺の不要な物はぶっ壊すだけだ、あの村の奴らみたいに全て沈めてやるさ!ヒャハハ」
白金と水時に少し距離が空いたかに思われたその瞬間
「水流移動」
水時は流れるように、そして瞬間的に白金の前に移動する。その足元には激しい水流が白金に続く道のようにクラフトされている。
水時はその水流の勢いで瞬時に移動したのだ。
不意をつかれた白金は水時がふるった拳に吹き飛ばされる。
続けて水時は倒れ込んだ白金に手を向ける。
「クラフト:滝壺」
ドドドド
白金の頭上から大量の水が滝のようにかなりの勢いで落ちる。
「ぐっ」
白金はその水の勢いに圧迫され身動きが取れない様子である。
「クラフト:東屋」
白金は東屋状の鉄の建造物をクラフトし、その屋根で落ちてくる水を防ぐ。
「言っておくが、お前がこの地下室に足を踏み入れた時点でこの勝負はついている。」
「なに?」
そういうと、水時は手を前にだし、ニヤリと笑う。
「大クラフト:大津波」
水時はこの広い地下室の天井に届くほどの大津波をクラフトする。その高さは10mをゆうにこえる。
白金はしかめ面をしながら近づいてくる波を見上げる。
どのようなクラフトをしても、この波の大きさ、水量を防ぐことはできない。防いだとしても行き場のない水が流れ込み。水没するだけだと悟っていた。
白金はそのまま波に飲まれて行った。




