潜入水神会編⑫〈決戦、vs水時〉
白金は本堂を奥に進む。この建物に水時はいるはずなのだ。
すると白金の背後から足音が聞こえる。
「本当に良くここまで暴れてくれたなぁ。」
「おまえは?」
白金が振り向くと、そこには。少し色の抜けたグレーの髪をした20代半ば程の男がいた。
「あ?お前俺を探してたんだろ?」
そういうと、男は白金の方へ指を刺す。
白金が何かと不思議に思っていると、その男の指から光線のように何かが一直線に飛び出し、白金の肩に直撃する。そのまま白金は壁まで飛ばされ撃ちつけられる。
「ウッ..これは..水?」
その男が指から発射したものはとてつもない威力の水の塊であった。
「お前が水時..」
「ふっ」
水時は白金を鼻で笑うと、そのままその場を去り、近くにあった階段を下っていく。
「待て!」
白金も肩を抑えながら、後を追う。
水時を追って階段を降りると、そこには不思議な空間が広がる。窓もない広いワンフロアで、柱のようなものが何本か立っている。
天井までの高さもかなりあり、その地下室の広さが窺える。
一番下まで降りると水が溜まっている箇所がいくつかある。
「なんだここ」
「ここに入って生きて出た者はいない。」
水時がそういうと、白金が入ってきた階段の入り口部分が閉じる。
「閉じ込められた?」
「さぁ俺に逆らい、俺の家を壊してくれた罪、その身で償ってもらうぞ」
「閉じ込めたつもりかもしれないが、もともと俺はお前をぶっ倒すためにきてるから好都合だ、
お前、他のお前の仲間と同様全員倒して無理強いされてる人たちを解放してもらう。」
「解放?ああ、桐崎が言ってたやつか?
そんなことは俺はどうでもいい、
それに俺の仲間など知ったことか、俺はお前が俺のテリトリーに勝手に入り、家を壊した罪を咎めている。」
(こいつ..何か妙だ。犯罪組織とはいえ、水神会の他の組員は統率が取られ、組織化されていた。だが、こいつは組員を仲間と思っていないどころか、自分以外に興味がないように感じる。そんなやつに組織の統率が取れるのか?)
「まぁいい、お前を倒して終わらせるだけだ!」
白金は鉄の柱を2本、水時に向かって放つ。
水時はその2本の柱に向かって、手を向けると、高威力の水流をクラフトする。
ボンッ!
水時に向かっていた2本の柱は水流によって進路を変更され、壁に叩きつけられる。
「水はその質量や流れの速さによってどんなものでも飲み込み破壊する。」
「ちっ、クラフト:鉄刀」
白金は手元に刀をクラフトする。
(近接戦闘ならこっちに分がある。)
白金の強みは汎用性の高いクラフトによって、近接から長距離戦闘まで相手に合わせ対応できることである。
水を使う水時は長距離型と悟った白金は、一気に距離を詰める。
「おらぁ!」
横一線に、水時に向かって刀を振る。
ガキィッ!
刀は水時の右腕に当たるが、その腕は傷付かず、金属に打ち付けたかのようにその刃は動きを止める。
「何っ?」
そして水時は左の拳を白金に振るう。
その拳は右腕の通らない刃と同じように硬く、鈍い音が響く
白金はその拳に一気に後ろに吹き飛ばされる。
「この忌々しい腕が役に立つとはな..。




