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第2話 9人の男女①

《敵》であり《仲間》

 「痛ッたッ!」尻を落ちた衝撃で思いっきり痛めてしまった。周りがぼやける。


 (これは椅子?)


 すっぽりとハマる様に落ちていた様だった。


 しかも周りから強い視線を感じる・・・しかも複数も。


 目を擦りつつ周りを見渡すと円卓に自分を含め1.2.3...9人?いる。


 (これがこのデスゲーム参加者か?)


 椅子の数から推測するにおれが最後の1人のようだ。


 目をやっていると1人の参加者と目が合い、すると優しく手を振り返してくれた。


 黒髪のロングにジト目気味のいかにも日本人らしい女性だ。


 (元の姿と違うんだろうなぁ。しかしこれは、性別とかも変わる事があるんだろうか?)


 そんな事を考えていると、円卓の真ん中辺りから突然、機械的な女性の声が聞こえて来た。



 『集まりましたね。これから自己紹介を番号1から始めて下さい』



 (番号・・・あ、机の上にプレートがある。えーと、自分は3番か)



 「勝手にこんな所に集めやがってよ!早く帰らせろや!」



 少し太り気味の男性だ。まぁ、こう言う人が出るのは当然だろう。



 『静かにして下さい。守らない場合、即消滅となります』



 「うっせぇなぁ!?やれるもんならやってみろよ。どーせこれ嘘なんだろ?」



 大丈夫なんだろうか?少なくともおれはこのデスゲームの開催者が、そんな優しいもんじゃ無いと考えている。



 『2条より消滅。執行致します。』



 次の瞬間その男は強い光に包まれ、おれは腕で目を守った。


 そして光が止んだと思いその腕を退かし、目を開けるとそこにはその男の姿が無くなっていた。


 (これは見せしめか・・・)



 『それでは1番から自己紹介して下さい』



 その声に、ざわざわしていたこの部屋がシーンと、心臓の音が聞こえる(まで)に静まり返った。



 「わわわわ、わたし!1番のネネカで、です!!よろよろゅ…宜しくお願いしますぅ!」



 そんな沈黙を破ったのは1番の【ネネカ】という、茶色いショートの髪型に赤いリボンが似合う女の子だった。


 (随分賑やかな子だな・・・)



 『2番の方どうぞ』



 ネネカさんが腰を椅子にぶつけつつ、おどおどと座った後、そう指示が入った。


 1.2秒経った後、机が強く叩きながら2番が話しだした。



 「このゲームはよ、俺が勝つからお前ら死ねな。以上。」

 「ひえぇぇ!」



 ネネカさんは隣に居たからか、反応して声を出した様だが、そんな事お構いなしに直様席に着いた。



 「ゲームの案内人は"自己紹介"をしろと言ったんだ。名前を言ってくれないかい?」



 そう2番に問いかけたのは、銀髪に73分け。それにメガネをかけた如何にも真面目そうな6番だった。


 すると2番は不機嫌そうに立ち上がった。



 「ちっ、俺の名は【左近時 哀承】だよ。1度しか言わねぇからな。」



 (さこんじ あいしょう・・・これは本名なのか?そうだとしたら馬鹿か?本名を言うなんて危険すぎるし、普通じゃない。)



 『続いて3番。自己紹介をどうぞ』



 この声は名前までしっかり言うと次の番号が呼ばれる様になっている様だった。


 (あ、3番はおれか。・・・よし)



 「僕の名前はウィルと言います。皆さんこれから頑張りましょう!」



 これが無難だ。下手に敵を買う様な発言をすると、ターゲットになってしまうからだ。


 おれの番は何の騒動も無く、次の番へと進んだ。が、4番は最初に魂を消されたあの人だったそうで、5番へと数字が飛んだ。


 5番はあの最初に目の合った女性だった。



 「私の事は【リン】と呼んで下さい。前世に弟と妹を置いて来てしまって不安ですが頑張りたいと思っています。」



 そう言った後、再びこっちを見て微笑んでくれた様な気がした。いや、気のせいの可能性もあるが。。


 (なんて可憐なんだ・・・前世はお嬢様かなんかだったのか?)



 『それでは6番。自己紹介をどうぞ』



 6番の席に目をやると、2番へと注意したあの真面目そうな人だった。



 「2番さんは本名を言ったのかな?それなら相当おつむの小さいホモサピエンスですね。それに敬意を称して私の名字を教えてあげましょう。私の名字は【佐藤】です。1度しか言わないから忘れない様に」



 (なんだこの下手な煽りは。。しかも完全に2番に敵対心持ってるし)


 変な煽りだが2番は全く反応しなかった。実は冷静なのかもしれない。それか、この名字言うのを狙っていたのか?いや、それはないだろう。


 周りは少し変な空気になったが、この妙な自己紹介は7番へと続いた。


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