第六話
「タケ、多分あの道を塞ぐように座っているのは魔物なんじゃない?」
チュートリアルなのかはわからないが、動かずに俺たちを観察してくる者がいる。距離は20mくらい
「ぼっちいには知らないのか。あれは魔物ではなく、兎っていう哺乳動物だぞ」
タケはそう言いながら一歩下がる
しかし、別に大きいわけではなく兎の中では大きいくらいだ。多分体長50cmくらい
「じゃあ先に進んでくれ。あの兎、頭に石の帽子見たいなのついているから素直に怖い」
そう。頭頂部から硬そうなゴツゴツしたのが見えるのだ。あれは突進してくるのが容易に想像できる
「慌てるなぼっちいに!…策はある。仮に魔物だとしても、まともに闘う必要はないんや」
「何で慌てている事になってるんだ?それで、その策とは?」
タケは足元を見て腰を下ろす
「目には目を、作戦やな」
タケはそう言って俺に石ころを渡してきた
「なるほどな、にしても自由度高いゲームだな。バグさえなければ楽しくプレイできそう」
「せーの!で同時に投げよう。当たればラッキー。最悪当たんなくても、ぽかーんって顔して攻撃された事を理解してないパターンもあるやろ」
「確かに。実は臆病な奴で、逃げてくれるかもしれないしな」
俺たちは目配せをして、「「せーの!」」って腕を上げた時、兎が後ろ足で地面を蹴って走って来ていた
パニックになったが同時に石ころを投げた!タケの石が命中したが、頭頂部で弾かれる!
「逃げるぞ!」
それだけ言って、慌てて俺たちは走り出した