第十五話
寝起きの悪さから、これがゲームの中ではなく、現実なんじゃないかと思えてきた今日は、ギルド内にある図書室に足を運んだ
ギルドに入って最初に目に映ったのは、掃除をしている学ランだった
図書室の場所を聞くついでに、職員さんに何故学ランが掃除しているか問うと、「ドアの修理代が支払えないみたいでしたから、働いてもらってます」とのこと
モップを使った床掃除は、とても絵になっていた
俺たちは特に気にせず図書室に向かった
「さてぼっちいによ。本を読んだ感じだと、どうやら魔法は試してみる必要があるみたいや」
「みたいだな。それにより適したジョブがあるみたいだ」
「ぼっちいによ、キャラメイクした時のジョブは何にした?」
「あー確か…タケ……やっちまったかもしれない」
「まさか!?」
「持たざる者…無職なんだがやっちまったか?」
感情移入するためにゲーム内のキャラも自分に寄せるのってあるあるだと思う。金髪エルフは違うだろって?その場の気分でごっちゃになることもあるあるだと思う
「慌てるなぼっちいに!……俺もや…」
「…楽しくなってきたな」
これがゲームの中ではなく、現実なんじゃないかと思えてきた今日は、図書室でそれなりの収穫があった