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間章「手紙」


 お父さん。

 お母さん。

 過日、天国で如何お過ごしでしょうか?


 世の中は物凄く混乱しており、魔王が統一帝国を大陸南部で興してしまうくらい混沌としていますが、僕は元気です。


 さて、《《あの日》》から家も無くなった僕は出稼ぎ労働者として職が溢れていると音に聞く大陸中央諸国への片道切符を手に初めて乗る鉄道で文化の中心地へとやってきました。


 数多くの長大な建築物と馬糞の臭いもしない道端。


 七聖女様方の魔導技術(ハイ・クラフト)機械(ピコピコ)による高度な文明社会。


 正しく人類はあの大災害後も強く逞しく生存しています。


 そして、僕は到着当日に置き引きにあって全財産を失いました(白目)。


 やはり、大陸規模の混乱のせいで大陸中央諸国と言えど治安は悪化していたようです。


 ですが、心配しないで下さい。


 僕が職を探して辿り着いた国家ガリオスは小さいながらも良い国なようです。


 警察に被害届を出してから途方に暮れていた僕を助けてくれる人がいました。


 彼は僕がいつかそうなりたいと思えるくらいに立派な成人男性でついでに騎士団の団長でした。


 今、彼……いえ、団長は騎士団のテコ入れの為に魔導師を募っているとの事で……こんな未熟な僕でよいのかどうかは分かりませんが、魔導師を受け入れる為のテストケースとして騎士団の末席に身を連ねる事になりました。


 三食と個室と賃金付きの素晴らしい環境を提供してくれたのです(感涙)。


 これから僕は団長のお世話になって、立派な魔導師として食べていこうと思います。


 ですから、心配しないで天国で見守っていて下さい。


 追伸 その三日後、災害に巻き込まれて僕は見知らぬ死体が歩く世界に飛ばされました……まるで三文小説や舞台劇みたいな話ですよね(諦観)。

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