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喋る魔導書が爺さんでした 第1話

中学生が初めて作った思い付きの小説です。

アドバイスや誤字脱字の指摘お願いします。

とある大きな図書館に1人の少年がやってきた。それが彼の冒険の始まりであることも知らずに…。


「本と友達のメガネ」と僕はよく言われる。別に学校でいじめられている訳でもないし、僕はこのあだ名を気に入っている。

 上条 祐希というのが僕の名前だが、あまり名前で呼ばれることはない。まぁ中学生なんだから、あだ名に多少の嫌味が含まれていることだってある。

 僕が「本と友達のメガネ」と呼ばれる理由はいくつかある。1つは、当たり前だがメガネをかけている事だ。本の読みすぎで視力が落ちたのだから間違いなく理由になるだろう。2つ目は、ほぼ毎日のようにこの大図書館に来ていることだ。本が好きなんだからここに来ない理由などない。

 とまぁ、長々と自己紹介をした訳だがそろそろ本題に戻ろう。僕は何が何だかよく分からないままこの暗闇にいる。いや、いると言うよりは落ちていくような感覚だ。何故こうなったとかを思い出すと余計よく分からないのだ。


 ­­­­━━30分前━━

 僕は、テーブルの上にまだ読んだことの無い本があるのに気付いた。周りに誰もいないことを確認して、その本に近づく。表紙には自分の知らない文字が書いてあるが、恐らくまだ知らない外国語だろう。僕はそっと開いた。その本から不思議な光が溢れて自分が吸い込まれたことに気付いたのは、もう暗闇の中だった。



 な?こんな意味のわからないことが起きても理解するのは無理な話だろ?

 しばらく暗闇を落ちているがなんの変化もない。本当にただの暗闇なのだ。ハッキリ言って暇だ。もう助けが来るのなんて諦めたし、持っているのなんてキャンディ1つと2000円しか入ってない財布だけだ。なんて事を考えているとだんだんと明るくなってきた。ようやく暗闇タイムが終わり、少し嬉しい。かなり明るくなり落ちるスピードが速くなっている気がする眩しすぎて目を閉じたのだから、その時のことはよく分からない。だが、1つ分かる事は…僕はもう普通の人間では無いことだ。


 ゴンッ!と盛大に頭をぶつけた。頭がズキズキ痛むが、ここがどこかよく分からないのでとりあえず目を開ける。

 ここどこ?というのが僕の感想である。僕は芝生の上に横たわっていた。上を見ると青空と太陽がある。とりあえず大図書館ではないことは理解出来た。右を見ると、少し前に見た謎の表紙の本がある。

「お前のせいでこっちは大変なことになったんだぞ!責任とれ!」

 と、本に向かって言った。本から返事なんて来るはずがないのに。

「確かにワシが呼んだけど、本に責任をとれなんて無理な話じゃ」

 ん?誰かの声が聞こえたな。だが、周りを見ても人はいない。

「ここじゃよ!ここ!この本!」

 今度はハッキリと聞こえた。この誰かの声が本当のことを言っているのであれば、さっきから喋っているのはこの不思議な本である。

 冗談はやめてほしい。今まで1000冊以上は本を読んだと思うが喋る本など見たことも聞いたことも無い。

「ほんとにこの本が喋ってんの?」

「そうじゃよ、ワシだって喋るくらいできる」

 いやいや、訳が分からない。僕の頭の中は今?マークでいっぱいだ。本が喋るとかどこのゲームだよ!

「ほんとのほんとに本が喋るの?」

「ほんとのほんとにワシが喋っておるのじゃが?」

 もう理解するのは無理だ。とりあえず話し相手がいるだけでもいいんじゃないだろうか。とりあえず状況を説明して欲しい。ワシが呼んだとか言ってたし多分この世界のことも知っているだろう。

「なぁ爺さん、ここは何処なんだ?」

「爺さんと呼ばれるのはなんか悲しいが、ここはウルグル平原じゃ。この辺りはベルウルフの縄張りじゃな」

「じゃあ、ここは日本じゃないのか?」

「当たり前じゃろ、お主はトラベルしたのじゃ。お主のいた世界とこっちの世界は全然違うぞ」

 どうやら異世界に来てしまったようだ。異世界物の小説は読んだこともあるし、多分大丈夫だろう。実はモンスターに会うのは楽しみなのだ。出来れば仲間になって一緒に冒険とかしたい。

「爺さん、この世界にはモンスターとかいるのか?」

「おるぞ?この辺はベルウルフというモンスターが多く住んでおる」

 ベルウルフ…か。名前からしてオオカミなんだろう。

 オオカミに乗れたらいいなーと思ったし、仲間にできる方法を聞こう。

「そのベルウルフを仲間にすることとか出来るの?」

「出来るぞ。まずモンスターと仲間になるにはシンクロが必要じゃ。シンクロ率が70パーセントを超えると仲間になれるのじゃ」

「シンクロするにはどうすんの?」

「シンクロは『原初魔法:心身共鳴』を使う必要がある。ワシは伝授の魔導書だからワシの知る技なら誰にでも教えることができるぞ。ワシは原初魔法しかしらんがの」

「じゃあ僕にその心身共鳴ってやつ伝授してよ」

「伝授にはお主の魔道力を消費するが良いか?」

「まって、その魔道力ってなに?」

「なに!?お主魔道力を知らんのか!?

 しょうがない、説明しよう。

 魔道力とはこの世界で全ての物質の元となる。いわゆる原動力みたいなものじゃよ」

「じゃあその魔道力が無くなったらどうなるの?」

「モンスターの場合は消滅して、またどこかで転生する。人間の場合は眠ると回復するのじゃ」

「じゃあ寝ればいいんでしょ?伝授するよ」

「了解じゃ。ちょっとまっておれ

 私は力 私は知識 汝の願いに答えるべく

 私の力と知識をさずけよう 原初の心身共鳴を!」

 僕には言っていることはよく分からないけど、最後の言葉で自分が新たな力を手に入れたことは分かった。

 頭の中に使い方が記されていく。

 不思議な感覚だが自分には『原初魔法:心身共鳴』が使えるような気がした。

「よし、じゃあ早速ベルウルフを仲間にしに行こう、爺さん」

「爺さん…か。そう言えばお主の名前聞いてなかったのぅ」

「僕は上条 祐希。祐希って呼んでいいよ。爺さんの名前は?」

「魔導書に名前なんぞない」

「じゃあ爺さんの『じ』と魔導書の『ど』でジドね」

「ジド…ジドかぁ。まぁいいか。よろしくな祐希」

「よろしく、ジド」


 こうして日本人の祐希と魔導書のジドの冒険は幕を開ける。

1週間に2回くらい投稿出来たらと思います。

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