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ACT令嬢の悪役道

作者: 睡蓮

久しぶりの短編です(´・ω・`)

何がしたかったのかわからなくなりました

軽い気持ちでどうぞ(´・ω・`)

ACT1



カツン……カツン……


授業中の静かな廊下に響く足音

マントを翻し令嬢らしくありながら堂々とあるく1人の女性とその後ろを静かに付き従う男性


カツン…


足音が止まる

そして令嬢の視線の先には閉じられた扉

付き従ってきた男性がそっと前に出る

閉じられた扉に手をかけ……


ガラッ!


勢いよく開く扉

開かれたことにより64個の瞳に令嬢が映る


カツン……カツン……


静寂が支配する空間で令嬢だけが動くことを許されたかのように優雅に足音を響かせ一人の女性の前へ行く

誰一人、言葉を発しない

令嬢が女性の前で止まってから数秒だろうか

しかし今この空間にいる者達にはそれが数分のように感じられた


そして令嬢の形のよい唇が開かれ空気が震える

「待っていたぞ。我に挑みし愚か者よ。さぁ…その脆弱な命で我を楽しませてみよ」


「「「「「(貴女から来ましたけどー!?)」」」」」


令嬢は目の前の女性を見下ろし愉快そうに目を細め、口元には笑みがこぼれていた

衣擦れ一つしない空間

見下ろされた女性は大きく目を開き令嬢を見つめた

そして顔を歪ませ口を開いた


「何いってんの!?!!」


「命乞いをするなら助けてやらんこともないぞ」


「だから!何言ってんの!?」


「ほう…命乞いもしないとは。よほど死に急いでいるようだな」


「話聞いてる!?意味わかんないんだけど!?」


「一瞬で痛みもなく終わらせてやろう。慈悲深い我に感謝するがいい」


言い終わると令嬢は手のひらに黒い球体を出現させた

その球体は高速で回転していて禍々しい気をしていた

黒い球体が令嬢から放たれれば教室どころか建物が半壊するだけの威力がありそうだった


その場にいた唯一の大人である教師が避難を促そうとしたとき「フォン」と教室が何かに包まれた


令嬢に付き従っていた男がこの場以外に被害が出ないようにシールドを張った


(いやいやいや、冷静にシールド張ってないで令嬢止めろよ!!)


自らが止めるという選択肢が最初からない教師

最初から止める気などない従者

止められるはずもない生徒達


いつ黒い球体が放たれるのか

それが放たれた後どうなるのか

間違いなくこの場を支配しているのは令嬢と恐怖だった


そして令嬢が手を上げ球体を放とうとした


そのとき


「カミーリア!」

教室に一人の男性が入ってきた


黄金色に輝く髪

神が創った最高傑作と言われるほどに整った顔

そして甘く低い声


その姿を見た誰もが助かったと安堵した


「カミーリア。()()()()


言葉が令嬢の耳に届いた

その瞬間、令嬢の手のひらから球体は消え禍々しい空気は無くなった


殺気を放ち凍てつく氷のような目をして愉快そうに目を細めていた令嬢は入ってきた男性を見る


「あら、レオン」

先程の人物とは別人かと思うほど柔らかい雰囲気で微笑む令嬢


「今度は何があった?」


「うふふ、わたくし悪なんだそうですわ」


「悪……?」


レオンは眉を寄せカミーリアを見た後、カミーリアの前にいる令嬢が目に入った

わからないながらも状況を把握したレオンは教師と生徒達に謝りカミーリアから説明をしてもらうためカフェテリアへと移動した










カチャ…

カミーリアに付き従っていた男性ゼルが紅茶を入れる

ここにはカミーリアとレオン、レオンの側近であるカイルとライオネルがいた


「それで?どうして悪なんだ?」


「なんでなのかしら?わかりませんわ」


本当にわからないのか手を頬に当て首を傾げるカミーリア

レオン達は慣れているのかカミーリアから聞き出すのを早々に諦め、ゼルに事の次第を聞いた


「数日前のことです。カミーリア様の元へ来たアリア伯爵令嬢が『貴女は悪役なんだから悪役らしくしなさいよ!』と言い、カミーリア様が『悪役?……悪役……悪…わかりましたわ。悪役になればよろしいのですわね』と。それに満足したアリア伯爵令嬢はその場から去って行かれました」


「悪といえば魔王ですわ!でも魔王の悪は違ったみたいですのね…次は違う悪になりますわ」


「いや…うん、悪になること自体が違うんだが……」


「次の悪はどれにしようかしら…うふふ」


「レオン諦めろ」


「アレが貴方の婚約者ですよ」


カイルとライオネルが慰めにもならない慰めの言葉をかける


「アレでも未来の王妃なんだがな…」


「まぁ、突発的なことさえなければ完璧だから」


「致命的なことにまでならないのが不思議ですよね」


「頭は悪くないが……」


3人はゼルがどこからか出してきた書物を楽しそうに見るカミーリアを見てため息を吐いた


「「「アホなんだよな(ですよね)」」」

ほれた弱味の王子…苦労するね(´・ω・`)


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