セリスと白式白将
「ぎゃはははははははははははははは」
と白式白将の笑い声が、お菓子の世界に響きわたった。
そして、白式白将の笑いが止まり
「じゃあ、お前の命いただくぜ。
あんだけ、弱い人間をむごく殺したんだからな。
次は、お前が死ぬ番だ」
といい白式白将が、殺戮悪魔にとどめを刺そうとした瞬間、大きな声が響いた。
「やめてくださああああああああああああああい」
その声に、白式白将は驚いて、動きを止め立ち止まった。
いつのまにか、殺戮悪魔の前に女の人が立っていた。セリスだ。
「殺すのだけはやめてください。」
「そこをどけ、そいつが何をしたか分かってるのか?」
「いえ、わかりません。
けれど、腕も足もないじゃないですか、動けないのに殺すなんてひどいです。」
「そいつは」
「あなたが、殺ったのですか?」
「は?何をだよ」
「とぼけないでください、私はここに来る途中、見ました。」
「とぼけるも何も、何も見覚えがねーんだけど・・・」
「まだとぼけると言うんですね?
私は、ここに来る途中に、酷い殺され方をした人間たちを見ました。
あれをやったのは君でしょう?」
「はー?何言ってんだよ。
俺がなぜ、そんなことをしないといけねーんだよ。」
「あなた以外に、だれがあんなことをするっていうですか?」
「おいおい、勘弁してくれよ。」
「私の質問に答えなさい」
白式白将は、ため息をつき、呆れた顔で答えた
「はぁ~、説明するのもめんどくせーぜ
人間を殺しまくってたのは
おれじゃなく、こいつだ。」
セリスは動揺した様子で質問した。
「で、でもこの方は、両腕、両足がないのですよ
どうやって殺すって言うんですか?」
「お前、バカだろ?」
「バカって何ですか、質問に答えなさい」
「だから、こいつが人間を殺しまくってたから、俺がこいつを止めようと両腕、両足を切断したんだよ」
「そ、そうだったのですか・・・」
そして、白式白将は眉間にしわを寄せセリスに言った
「分かったなら、そこをどけ、そいつは俺に殺されるべきなんだ」
「ダメです、いくらこの方が人を殺したからと言って、あなたが手を汚す必要はありません」
「うるせーんだよ、お前はそいつのなんなんだよ。
こいつは、俺を本気で殺そうとしてきたんだぞ」
白式白将は、セリスをにらみつける。
その顔を見たせリスは、このままでは、話し合いでは決着がつかないと思った。
「ごめんなさい、この方は殺させません、殺すというなら私と戦いなさい。」
「なんでお前は、そいつを守ろうとするんだよ。」
セリスはその時、感じていた。
この両腕、両足がなく、身長も姿かたちほぼ変わっているが、かすかに少年のエネルギーみたいなものを感じると、でも確信はないがそんな気がしていた。
それに、私を吹っ飛ばした時のこの憎しみのエネルギー、きっと少年だと思います。
そうだとしたら、私が守らなければなりません。
「この方のやったことは、決して許されることではありませんが、ここは引いてもらえませんか?」
「何わけのわからないことを言ってんだよ。
お前が、そこをどかないのなら、お前も殺すぞ。」
白式白将は、この女、何考えてるんだ?
まじで俺と戦う気か?
女と戦うなんざ嫌だぜ。
でもこいつが、その気ならやるしかねー
割り切るしかねーかと思っていた。
セリスの顔が変わった。
「戦うしかないようですね。」
白式白将は舌打ちをしてどうなっても知らねーぞと思っていた。
「チ、殺り会うしかないようだな。」
2人は顔を見合わせ、構えた。
つづく~




