暖かい…
…暖かい。
…なんか、ぽかぽかしている。
此処は?
俺は部屋を見回してみる。
ピンクを基調とした部屋で、どことなくいい匂いが漂い、ぽかぽかしていて暖かい、落ち着く部屋だ。寝そうになってしまう。
すると、部屋の外から足音が聞こえてきた。そして、その音は段々近づいてくる。
あれ?
なんか、このパターン前にもあったような…?
「‼」
俺は通り魔に殺された事を思い出した。
俺、また殺されるの?
この言葉、何回も思った気がするのだが、気のせいか?
そうこうしている間に扉がガチャッと開いた。
俺は思わず身構える。
本能的にこのパターンが怖くなっていたのだ。
「よかった~。目、覚ましたんだね」
扉が開くと、そこには女の子が立っていた。
長い黒髪で、おっとりとした顔をしていて、優しさがにじみ出ている。手にはキャットフードが入ったお皿を持っていた。
その子の体を見ると、俺が人間だった頃の中学の制服を着ていた。
「ねこちゃん、ずっと気を失ってたんだよ~?心配しちゃった~」
女の子は、俺の前にキャットフードの入ったお皿を置いた。
そして、ニコッと笑った。
その時、俺の心がドクン、と波打ったのがわかった。
こんな思いをしたのは初めてだ。
俺は気付いた。
この女の子に、恋をしたのだ。